Santana Lotus Revival

Santana Lotus Revival

息がつげない……40年ぶりに観たそのライヴ・パフォーマンスは、生でふれたそれよりも、ずっと烈しいものでした。

1973年6月25日、プライヴェートジェットで我が国の土を踏み、翌7月の11日に至る間、福・広・名・阪・京・東・札と続く初来日コンサート・ツアーを行なった、サンタナ。3・4日大阪のライヴが横尾忠則作の22面仕様ジャケットで知られる“Lotus”としてその後、世に出ていますね。当時大学生だった私も、7日の日本武道館で観たのを覚えています。

そのもようをとらえたドキュメンタリー・ライヴ・ムーヴィー(ロックフィルムの俊英井出情児撮影)は、我が国独自のものとして全国的上映が行なわれました。が、以後数十年ソニーミュージックのマスターテープ保管倉庫内で眠っていたそうです。‘幻の’ムーヴィーとして。しかし、ついに再び陽の目を見る日がやってまいりました。同バンドの初来日40年を祝す今年春のツアーを控え、ソニーのディレクター白木哲也氏が、ホコリの山からなんとその‘幻’を救い出したという知らせが。そして、昨日渋谷公会堂で上映会が行なわれたのです。私にとっても想い出に残るコンサートの一つ。見のがすテはありません。

それは正しくとてつもなくなまなましいものとして迫ってまいりました。ホテルの1室、師スリチンモイの画の前で祈る、リーダー/フロントのカルロス・サンタナ……真正面を向いてそっと目を瞑る彼のアップ、というシーンからすべては始まっています。一転闇に光が射し、ライヴの場へ。発売前の同年作“Welcome”の冒頭曲“Going Home”、ついで前年作“Caravanserai”の“Every Step Of The Way”と疾風烈火怒濤のセッションがつづられます。レオン・トーマス(vocal/percussion)、トム・コスター(keyboard/percussion)、リチャード・カーモード(keyboard/percussion)、ホゼ・チェピート・アリアス(percussion)、アルマンド・ペラーサ(percussion)、ダグ・ローチ(bass)、マイケル・シュリーヴ(drums)が織りなす、アグレッシヴでパーカッシヴでプログレッシヴな音は、いつまでも止む事の無い様に永く感じられました。しかもその交わりは細やかに粒だって、ダイナミック。ラテンをベースとして、いろいろな音楽性をクロスオーヴァーしえたロックが密に紡がれているのです。そしてその流れにのって、彼のエモーショナルなギターがたゆたい、クライマックスでスピリチュアルな音世界がエクスタシーを醸し出します。それはほんとうに息もつげないくらい、しっかりと音のつまった、熱いインタープレイでした。‘作り’の基となっているのは、ラテン、またはジャズのアプローチ。マイルス・デイヴィスらのつくっていたそれをも凌ぐ出来映えだったと思います。少なくともそのフィニッシュぶりからして。

“Black Magic Woman / Gypsy Queen”を始め、“Light Of Life”、“Se A Cabo”、“Samba Pa Ti”等、メインとなるレパートリーも、みんなそれぞれドラマティックに決まっています。“Mantra”からつらなるシュリーヴのカレイドスコープの如く独り華やかにものすドラム・プレイは、当時最高峰のパフォーマンスの一つといえるでしょう。武道館で誕生日を祝ってもらい、少しハッチャケル姿と相まって、スポットライトが当てられています。

ライヴ・レパートリーは、ほかに“Incident At Neshabur”も。ドレッシング・ルームでのおキラクなパーカッションのジャム・セッションを始め、プライヴェートジェットの中のようすから、ゴールドディスク授与式パーティー、ファンとのいろいろな交歓等様々なドキュメンタリー・シーンも収められています。カルロスがドラムスを叩く姿も見え。

とまれその初来日ツアーのもようがリアルにつまったムーヴィーでした。極限近くまで寄り、撮る事が適わなければ、あんなにもなまなましいリアリティーは生まれえなかったでしょう。それゆえに、時空間を超え、体験的記憶が蘇るよりもろ‘生’なライヴを楽しめました。目頭熱くするほどに……。

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