ARISTA

Record Makers’ Rhapsody

vol.6 ARISTA

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さてそんなふうに追われてしまったクライヴ・デイヴィスですが、在任中、アリスタの傘下内で、またはジョイント・ヴェンチャーとして携わったレーベルがいくつかありました。ノトーリアス B.I.G.を始め、フェイス・エヴァンス、112、メイスetc.を抱え、自らトップ・スターでもあったショーン”ディディ”コムズがつくったヒップホップ系のバッド・ボーイもその一つ。中でもとりわけ稼ぎまくったのが、トニー・ブラクストンを始め、TLC、アウトキャスト、アッシャーetc.を擁し、当時業界随一のヒットメイカーでもあったアントニオ”L.A.”リードとケネス”ベイビーフェイス”エドモンズが営むラフェイスでした。

クライヴのアリスタに益をもたらしたそのL.A.が新CEOとして彼を追い落とすことになるとは……。何とかのいたずらってやつでしょうか。

クライヴの置きみやげは、すでに長い間ヒットなるものから遠ざかっていたカルロス・サンタナにアルバムのミリオン・セールス(米国内のみで1千5百万枚突破)をもたらし、あまつさえグラミー賞までも獲らせたこと。しかしサンタナにしろ、またかつて業界内を騒がせたホイットニーにしてさえも、正にあの特約条項発効の時が来たにもかかわらず、彼についていくことはありませんでした。

そしてその後日談。

’04年、親会社BMGとSMEの統合劇に際し、L.A.は去ります。翌年夏、アリスタ・レーベルはRCAの管理下に置かれるように。正にその時、RCAのCEOにすわっていたのが、なんとクライヴでした。

まるでらせんの如くいれかわる縁の不思議さ、ここに極まれり。

<つづく>

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