Eternal Songs Kaleidoscope 佳曲萬華鏡
Careful 5 : Always Look On The Bright Side Of Life / Eric Idle <Monty Python>
-Final-
“Monty Python’s Life Of Brian”のサウンドトラック盤においてのそれは、 “Always Look On The Bright Side Of Life (All Things Dull And Ugly)”として収められています。ただし、英国国教会の賛美歌”All Things Bright And Beautiful”のパロディーである”すべてのたいくつで醜いものたち”というサブタイトルが曲の中に出てくることはありません。紛らわしいことに、そのほんのちょっと後にリリースされたアルバム”Monty Python’s Contractual Obligation Album”に同名曲が収められていたりもします。けれどもちろん無関係なのはいうまでもありません(モンティ・パイソンですからね)。そういえば、正にこの曲そのものが、”ピノキオ”の”Give A Little Whistle”の様な、ディズニーをパロッたものといわれています。猶、同サウンドトラック・ヴァージョンは、歌い出す前の語りのところでロマンティックなギターがちょろっと奏でられるという、素の語りからそのまま歌い出す映画本編内のそれとは異なったものになっています。
ところでこの曲、同映画公開時に讃えられたことは讃えられたのですが、ソニア・ジョーンズが歌うオープニング・テーマ曲 “Brian Song”とカップリングでシングルとしてリリースされたものの、ヒットチャートにのることはありませんでした。で、時と共に忘れられ……なかったのです。以後何かというと口ずさみつづけられ、ついに英国人の心の愛唱歌ともいえるものになってしまうんですよね。
エターナルなリヴァイヴァル・ヒット……それは、1982年5月4日、フォークランド紛争時、英海軍が自軍駆逐艦撃沈の際、大合唱したことに端を発します。やがてマンチェスター・ユナイテッドのサポーターが負試合で歌ったりもするように。それをトッテナム在籍時のゲイリー・リネカーが見て、エリック・アイドルに教えたりもしたそうで。そのへんから火がつき、’91年、Warnerだったレコード・レーベルがVirginへ移っての再発盤がヒット。同年秋、英トップ3にランクされるベストセラーになっています。
ちなみにその後、アカデミー賞に輝く’97年のジャック・ニコルソンの主演米映画”As Good As It Gets”(恋愛小説家)で、ニコルソンがピアノの弾き語りをしたりするほか、同サウンドトラックでアート・ガーファンクルが歌うヴァージョンも。2002年、ナイキのCFで、ロナウドが口笛吹いてもいましたね(ほかに小野伸二等出演)。
当然本家本元”モンティ・パイソン”系作品でもくりかえしリヴァイヴァル。先に記したもののほか、トニー賞ベスト・ミュージカル作品賞を獲る’05年の”Monty Python’s Spamalot”などでのそれがよく知られています。
それにしても、”ブライアン”グレアム・チャップマンのリアルな御葬式で、残された5人のパイソンズがみんなしてこの曲を大合唱したというエピソードは、涙なくしては聴けませんね。ふふふ。
<終わったはず、ですが>
