尖ってゆらめく音のまじわりは彼ら3人の誰を欠いてもなしえない、真実三位一体……
ブリティッシュ・ロックの革命児としてセンセイショナルに古いシーンを変え、バンドは3人がいいとまで言わせしめたスーパー・グループ、クリーム。ジンジャー・ベイカー、そしてエリック・クラプトンと共に、ベーシスト/ソングライター/ヴォーカリストとしてその”ミュージックマジック”をカタチづくったのが、ジャック・ブルースでした。
中学生の頃。帰るやいなやターンテーブルにセットし、狂ったようにくりかえし聴いていたのが今もなまなましく想い浮かべられます。生まれてはじめて買ったいくつかのインポート盤の一つ、1967年の2ndアルバム”Disraeli Gears”。ジャケットからしてみるからに”サイケデリック”なスピリットがほとばしっていました。
“Strange Brew”、”Sunshine Of Your Love”、”World Of Pain”と続くながれは異次元のゆがんだ音宇宙へのたしかな誘い。まるで儚い夢の中を泳ぐかの如く、幻惑的な音魔術に酔いしれたものです。
サイケデリック・エイジに現われた、不世出のブルーズロッカーでした。
R.I.P. John Symon Asher “Jack” Bruce (1943.5.14 Scotland – 2014.10.25 England)