聴いていると、なんだかとっても幸せになれました。
同じ輪の中、彼らといっしょに唱っているかのようなムードに包まれて。
1969年、ニューヨークで生まれた、ザ・マンハッタン・トランスファー……
小説家ジョン・ロデリーゴ・ドスパソス、1925年の作『マンハッタン乗換駅』をそのままいただいた、アーバンなコーラス・グループ。
彼、ティム・ハウザーからそのすべてが始まりました。
1973年、アラン・ポール、ジャニス・シーゲル、ローレル・マッセー(シェリル・ベンティーンと1979年交替)らとの4人編成でラインアップを固め。以来職人藝の男&女4部和聲が万華鏡の如く躍る、唯一無二珠玉のハーモニーでスターダムへ。グラミー賞常連グループにまでのし上がりました。
“Operator”(1975年)、”Twilight Zone/Twilight Tone”(1980年)、”The Boy From New York City”(1981年)、1981年の米映画”Sharky’s Machine”のサウンドトラック曲”Route 66″などのヒット・ソングのみならず、”Walk In Love”、”Who What Where When Why”、”Je Voulais (Te Dire Que Je T’Attends)”、”Smile Again”、”Spice Of Life”、”Mystery” 、そして流れるようにア・カペラで綴られる”A Nightingale Sang In Berkley Square”等、ミゴトなそのパフォーマンスが次々想い浮かべられます。
ジャズをベースとしながらも、いろいろなタイプの曲をクロスオーヴァーし、アダルトコンテンポラリーで、ポップに紡ぐ……正にマンハッタンが似つかわしい、シャレたライヴを楽しめるアーティストでした。
R.I.P. Timothy DuPron Hauser (1941.12.12 New York – 2014.10.16 Pennsylvania)