“Can’t Take My Eyes Off You”、”Sherry”、”Let’s Hang On!”、”Silence Is Golden”、”Lady Marmalade”……中高年のポピュラー・ミュージック・ファンで、これらスタンダード・ヒットの一つだに知らない、という人などいないんじゃないでしょうか。
すべて、ボブ・クリューがソングライターとして書いたか、プロデュースをするかして携わったものです。
ブロードウェイ・ミュージカル”Jersey Boys”で画かれていたように、フランキー・ヴァリとザ・フォー・シーズンズをトップ・スターダムへ導く、”ヒットメイカー”のセンスとテクニックとパワーを兼ね備えていました。そしてそのオーラは、ダイアン・リネイ、ミッチー・ライダー・アンド・ザ・デトロイト・ウィールズ、レスリー・ゴア、オリヴァー、パティ・ラベルら、多くのほかのアクトへもまたそそがれたのです。
彼のソングライティングとアレンジメントの鍵を1言で表すなら、”ゲンキになる”。
彼が携わるといかなる曲も勢い良く弾み出します。
辛いからといって暗くなっていてもしかたがない、前をしっかり見すえて歩むなら、いつか幸せになれるだろう、というかの如く。
見た目が惨めでも、光を見い出し、そして「そのままのアナタを愛す」……そんな想いがせつせつと哀しくも美しくとらえられた曲”Rag Doll”などもまた然り。アップテンポの曲はもとより、スローな曲ですらポジティヴな温い光が心に点るのを感じます。
私も彼のそのオーラに惹かれました。
“Can’t Take My Eyes Off You”、”Lady Marmalade”、”My Eyes Adored You”……今もふとそれらの曲が心に浮かぶほどに。
Stanley Robert Crewe “Bob Crewe” (1930 or 1931.11.12 – 2014.9.11)