コンチータはねー、トーマス・ノイヴィルトっていうんだ、ほんとうはね……
1988年11月6日、オーストリアのグムンデンで、”男として”生まれたコンチータ。そんな彼が芸能界でその姿を現わしたのは、2006年の事でした。オーストリアのTVスター・サーチ系番組”Starmania”で見事第2位となったのです。翌2007年、同番組の出場陣でイェッツ・アンダース!というボーイ・バンドを組み、デビュー。しかし、しっくりいかなかったらしく、同年、早々に解散しています。彼もまだとりあえずオトコのままでした。
髯美女ドラァグ・クイーン”コンチータ・ヴルスト”が現われたのは、2011年、自国内公共TVステイションORF(Österreichischer Rundfunk)のスター・オーディション系番組”Die große Chance”で。またそのままの姿で2012年のユーロヴィジョン・ソング・コンテストのオーストリア代表の予選で次点となってもいます。
そのかたわら同番組出演の流れから、”Unbreakable”でシングル・デビュー。自国内で最高第32位のヒット、ブレイクアウトを果たしました。翌2012年、2ndシングル”That’s What I Am”が最高第12位のビッグ・ヒット、スターダムへ。
そして2013年の秋、今年第59回ユーロヴィジョンへ出る事が決まったというしだい。
Conchita Wurst | Unbreakable <Die große Chance : Finale : 2011.11.11> (click! で、リンク)
ヴルストはドイツでソーセージの事。”Das ist mir doch alles Wurst”(“ソーセージはソーセージ”、私にとってはみんな同じ……どうだってかまわない)という昔からの言い回しからとっているとか。いわく、「人がどのような生まれなのかとか、どんなふうに見えるかとか、そんな事はどうでもいい」と。
うるわしくエモーショナルなそのヴォーカルを前にしたらそりゃまァ奇妙奇天烈な姿などたしかにどうでもいいかもしれません。とはいえその姿で唱うからゆえに伝わってくるものも多いんじゃないかと想います。正に人は見た目じゃないんだ、と。
