One Disappointing Moment In Time

One Disappointing Moment In Time

グラミーアウォーズのセレモニーを見る時、いつもいいなと想うのが、音楽界のなかまの死を悼み、時に歌を献じたりもする事。音楽界そのものがいにしえからずっと一つ河の流れのようにつながっているという事をしみじみ感じられるからです。

無論我が国の音楽界も同じ、何ら異なりません。と、想っていました。しかし……。

2013年の大晦日、NHKの”紅白歌合戦”で、それはミゴトに砕かれました。

唱うアーティストがへたくそであんまりだとか、そんな事ではありません。それならとっくに諦めていますので。

けれど、我が国のアーティストとしてホールオブフェイム・クラスのスーパースター、島倉千代子の”トリビュートまがい”の段は、正に堪え難いものでした。

一、ホストの横で想い出を語るアーティストは、誰かいなかったのか?(想い出の殆ど無い誰かじゃなくて)

我が国有数のアーティストが新旧集う最高峰の歌番組じゃなかったの……。

一、本人自ら歌うシーンを1曲くらいまるまる流しても良かったのでは?(ドラマの自画自賛出し物をだらだら演るくらいなら)

かつてずっと最多出場記録をキープしていたほどのアーティスト、シーンもよりどりみどりだったでしょうし。

一、何故追悼曲として『津軽海峡冬景色』を唱うのか?

己のレパートリーを唱う人も唱う人ですが、誰かヴェテランでかのスーパースターを偲び、其のレパートリーを唱いたいという人がいなかったのかい!

とまれあの日は、かつて国民的音楽番組とすらいわれた”紅白歌合戦”が、歌も、そしてアーティストすらも愛していない事がわかった記念日として、終生私の心に深く刻まれるでしょう。残念乍ら……。

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