フォークソングを唱う事がすがすがしかった頃……1960年代初め、“マクドゥガル・ストリートの長”ともいわれ、フォークリヴァイヴァルのメッカ、グリニッヂヴィレッジのリーダー的存在だった(そしてボブ・ディランのブレイクアウトに一役買い、ギターを教えようとするもしくじった)ブルーズ系フォーク・シンガー、デイヴ・ヴァン・ロンクの音楽人生回想録をベースとしてつくられた、ジョエル&イーサン・コーエン両監督の新作米映画“Inside Llewyn Davis”。第66回カンヌ国際映画祭でグランプリを獲り、今年暮れ米国内上映となる同映画、熱かったフォークシティーのようすをなまなましくとらえ、そもそもからして音楽的価値も高いものなのですが、なんとそれにまつわる上映記念慈善コンサート“Another Day, Another Time : Celebrating The Music Of Inside Llewyn Davis”なるものまで企てられ、ネオフォークリヴァイヴァル・ブームの流れへとしっかりつながっているようで。
ラインアップをみてみると。ジ・エイヴェット・ブラザーズ、パンチ・ブラザーズ、シークレット・シスターズ、パティ・スミス、ジャック・ホワイト、コナー・オバースト、ウィリー・ワトソン、ザ・ミルク・カートン・キッズ、レイク・ストリート・ダイヴ、ギリアン・ウェルチ&デイヴ・ローリングス、カロライナ・チョコレート・ドロップスのリアノン・ギドゥンズ、ザ・ディセンバリスツのコリン・メロイ、マムフォード&サンズのマーカス・マムフォード、そしてジョーン・バエズと、半世紀のスターが集うそうそうたるもの。ボブ・ディランが当日突然現れても違和感のない感じです。むろんオスカー・アイザック、キャリー・マリガン、ジョン・グッドマンら、映画出演陣もそろいぶみし、パフォーマンスするそうで。ジャスティン・ティンバーレイクの姿がみえないのが惜しいですけれど……まァね。
来る9月29日、ニューヨークシティー・タウンホールで。或る種、似た様なムードの漂う今、ヴィレッジの青くホットなヴァイブスが蘇りそう。
