私は幼い頃、いつかFEN(現AFN)のラジオをノンストップで24時間聴いてみたいと想っていました。10時間程ならふつうによく聴いていましたが、1日まるまるともなるとたやすくはなく。チャレンジしてはみたものの、叶いませんでした。
いつしかそんな夢(?)を想い出す事もなくなって、数十年たった頃。私がスーパーヴァイザーとして関わっていた専門学校卒業制作雑誌HARMONIAで、24時間耐久企画を潔く申し出たオトコが現われました。エアギターで……。ホンキでした。そのらんらんと光る目を見て、パンクなスピリットをもつ彼ならやれるとふんだ私は、何も言わずに即、通します。第一稿締切は秋の登校日。つまり、試みそのものは夏休中に行われなければなりません。そして、やりました、彼は。夏の真っ盛りにもかかわらず。コンプリートはなりませんでしたが、それゆえに信じられ。まるでリアルタイムにそのシーンを見ているような、おぞましい、否、なまなましいドキュメント、文字通り汗の飛び散るその文は、熱く心の躍るものでした。ぐだぐだにつづられた文をほとんどいじらず許してしまったのは、HARMONIA20年の間を通じ、唯一彼のそれのみです。あまりにもオバカな流れをそのまんま生かしたかったし、エネルギッシュな勢いそのものも止めたくなかったので。
そうなんですよね。
どんなにくだらない事でもそれなりの時と数を積んでいくなら何かしらものになる、という人生の深遠な真理(^.^; もとへ、暮らしのヒントがその想い出の中に秘められています。
日本時間本日8時、アンドリュー・W.K.という、34歳、米カリフォルニア生まれのロック系面白マルチ・ミュージシャンが、そんなオバカなパフォーマンスをやってくれました。テーマは、24時間眠らずにひたすらドラムを叩く、というもの。O・ミュージック・アウォーズのイヴェントとして、ニューヨーク・タイムズスクェアのオークリー楽器店で、ガラス張衆人環視のもと行われたそのライヴ・ショウ“ザ・ドラマソン”は、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのチャド・スミスがサポーターをつとめたりもして、涙なくしては‘見ていられない’セッションとなりました。世界新記録としてもどうやら認められるようで。御本人のツィッター(そんな事をする暇あるんかい! と想っていたら、結構繁くトイレット・タイムが与えられていたらしく)じゃもうかなりいろいろ痛くてたいへんだったみたいですが、それも報われるというものです。彼のアルバム・カヴァーのポートレイトの如くハナヂが出る程たいへんだったかどうかはわかりませんが。
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