Eternal Songs Kaleidoscope 佳曲萬華鏡
Careful 14 : Variations On A Theme By Erik Satie / Blood, Sweat & Tears
>>> Trois Gymnopédies / Erik Satie -extra A-
サティが‘ジムノペディスト’(なんじゃそりゃ)としてつくった面目躍如的作品“Gymnopédies”は、クラシカルな細い枠の中(視かたを変えれば超巨大ともいえますが)ですらうっかりすると忘れられそうな埋没曲の一つでしたが、ブラッド・スウェット&ティアーズのパワーを以てポップ・ミュージック・シーン最前線で突如蘇り、以後次々翻案作が生まれる事となります。
というわけで、アーテイストの意外性、編曲的な面白味、映画等異種アートと親和性をもつものをいくつかピックアップしてみましょう。BS&T前のものから。インスパイア作も交え。
1962 Gymnopedie | Herbie Mann & The Bill Evans Trio (album “Nirvana”) <jazz : flute/piano>
ストレイトアヘッドなジャズとしてとらえた1作といえるでしょう。ベーシストのスコット・ラファロを亡くしたビル・エヴァンスが、なぜか際物系フルーティストのハービー・マンと組んでつくったもので、賛否両論醸し出す異色作ともいえますが。カレッジでフルートを吹いてもいたエヴァンスゆえに、難なくすんなり交わっています。
1974 Gymnopedie #1 | Hubert Laws (album “In The Beginning”) <jazz fusion : flute>
愛のフルーティスト、ヒューバート・ロウズの1作。ゆったりとしたピアノのナチュラルな流れにのって清らかにつづられます。天からふってくるようなうるわしい響にとろけてしまいそう。
1978 The Tenant | Japan (album “Obscure Alternatives”) <‘new romantic’ rock : piano>
1979 Despair | Japan (album “Quiet Life”) <‘new romantic’ rock piano/vocal>
1980 Nightporter | Japan (album “Gentlemen Take Polaroids”) <‘new romantic’ rock : piano/vocal>
どれも、英ニュー・ロマンティクス系ロック・バンド、Japanの曲。ズバリ、それをパフォーマンスしてはいませんが、とくに曲想的影響が感じられるものを三つ集めてみました。なんとなくデカダンスなムードに包まれますね。ピアノをベースとしたインストゥルメンタル・ヴァージョン“The Tenant”はそのまんまキョムっていますし。“Despair”なんかもうふらんす語で唱われていますから。尚同曲のみならずそのアルバム“Quiet Life”からはもう一つ“The Other Side Of Life”もインスパイア曲の一つといわれます。“Nightporter”はそもそもからしてオマージュ的作品として知られていますが、ピアノのしらべにしんなりとエモーショナルなヴォーカルがゆらめくようすがハマッていますね。デイヴィッド・シルヴィアンはロック・ヴォーカリストの中で最も似つかわしい1人といえるかもしれません。
うーん、止まりませんね。<つづく>
後、少し間が空いてしまったため、サティの話へ移ってからのリンクを。
Gymnopedies (click!)
Satie : Gymnopedie (click!)
Variations On A Theme By Erik Satie / Blood, Sweat & Tears 1 2 3 (色数字をclick!)
