The Tennessee Waltz / Patti Page

The Tennessee Waltz : Patti Page 5

Eternal Songs Kaleidoscope 佳曲萬華鏡

Careful 12 : The Tennessee Waltz / Patti Page

-5-

いろいろあって、レコーディングは遅れます。ピー・ウィー・キングのザ・ゴールデン・ウェスト・カウボーイズが漸くそれにとりかかれたのは、なんと翌年暮れのことでした。セッションは、1947年12月2日、RCAヴィクターのレコーディング・スタジオで。むろん、ナッシュヴィルの? いいえ、シカゴでした。

そしてそのオリジナル・ヴァージョンは、’48年の春・夏、カウボーイ・コーパスの唱う競作盤と共にそれぞれカントリー・シーンでトップ10ヒットとなっています。

パティ・ペイジが、それをレコーディングしたのはその後、’50年のことでした。父のフェイヴァリット・ソングだったカントリー・ヴァージョンを自ら選んだとペイジはいっています。しかし、当時未だビルボードのレヴュワーだった後の名プロデューサー、ジェリー・ウェクスラーがアースキン・ホーキンズのR&Bヴァージョンをマネイジャーのジャック・ラエルに奨めたからというのが、たぶん正しいんじゃないかと。セッションは同年秋、ニューヨークで。ラエルがコンダクターとしてオーケストラを司り、ペイジのヴォーカルは、3聲、2聲、1聲と3ヴァージョンつくられたそうです。そして、2聲の多重録音物がシングルとしてリリースされました。

初回盤は季節柄、“Boogie Woogie Santa Claus”のB面としてつくられましたが、次のプレスでA面と変えられ、B面として“Long Long Ago”がカップリングされています。11月の初め頃リリースされたシングルは、同年暮れから翌’51年初頭をピークにビッグ・ヒットとなり、Billboard HOT100がつくられる前のポップ系ランキングで、すべてNo.1へ(ジューク・ボックス計13週/ベスト・セラー計9週/ディスク・ジョッキー計8週)。マルチ・ミリオンセラーとなっています。ペイジにとっても忘れられないマスターピースとなりました。

尚、そんなペイジのヴァージョンを頭に、さまざまなアーティストがパフォーマンス、長い間ポピュラー・スタンダードとして愛されたため、’65年、テネシー州においては4曲目の州歌と認定されています。

<つづく>

Leave a comment