The Tennessee Waltz / Patti Page

The Tennessee Waltz : Patti Page 4

Eternal Songs Kaleidoscope 佳曲萬華鏡

Careful 12 : The Tennessee Waltz / Patti Page

-4-

‘We were waltzing that night in Kentucky’と唱い始め……

‘And I long once more for your embrace

In that beautiful Kentucky waltz’と結ぶ、そんな曲が、67年程前、米国内のカントリー・シーンのみでスマッシュ・ヒットしています。“Kentucky Waltz”。ケンタッキー生まれのブルーグラスのトップ・スター、ビル・モンローが作り、自ら唱ったものでした。

終わってしまった恋、ケンタッキーのワルツをいっしょに踊っていたその人を偲ぶ歌。似ていませんか? ‘何か’と。

‘I was dancin’ with my darlin’ to the Tennessee Waltz’と唱い始め……

‘Yes, I lost my little darlin’

The night they were playing

The beautiful Tennessee Waltz’と結ぶ……ね! (ワザトラシイですか……^.^;

“Tennessee Waltz”が生まれたのは、1946年。シンガー・ソングライターのレッド・スチュワートがその詞を、フィドラーにしてかつアコーディオンも弾くバンドリーダー、ピー・ウィー・キングが曲をつくっています。キングの司るカントリー系のバンド、ゴールデン・ウェスト・カウボーイズのヴォーカリストが、スチュワートでした。’46年の或る日、彼らはともども、グランド・オール・オープリーでプレイするために、リムジンでナッシュヴィルへ向っていました。そんな時、ラジオからたまたま流れたのがかの“Kentucky Waltz”。そしてそれを聴いたせつな、スチュワートはマッチ箱に詞を綴り、バンドのミュージシャン達はみんなして“No Name Waltz”と名づけられたキングのテーマ・ソングをハミングし始めたのです。次の日、キングとスチュワートは、ソングライター&ミュージック・パブリッシャーのフレッド・ローズとコンタクトをとります。つくりたてのその曲を見てもらうためでした。見るなり、ローズがその場で詞の1節、‘O the Tennessee waltz, O the Tennessee Waltz’を‘I remember the night and the Tennessee Waltz.’と替えたそうです。

ソングタイトルは、“Tennessee Waltz”。

テネシーの郷ナッシュヴィルへ向う際に生まれた歌。詞をつむいだスチュワートも、生まれはテネシーのアシュランド・シティでした。

ちなみにその詞の主人公もそもそもはオトコ、盗られたのはオンナと、パティ・ペイジの唱うそれとは逆だったんですね。

<つづく>

Leave a comment