The Big Surprises! About The 55th Grammy Nominations
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ジミメでがっかりの2013Grammyノミニーズ、まずは新人賞からねっとりながめてまいりましょう。
なんとなくメインの3大カテゴリー、ロック、黒人系音楽、カントリーの中からそれぞれトップ・クラスのアクトがエントリーし、で、ポップ枠とスペシャル枠でそれにもれたか全く異なったカテゴリーのアクトが割り当てられるって感じなんですよね、同賞の近年の傾向として。なので、そもそもからしてそのカテゴリーのファンの間でしかなじみのないアクトが交わるのもしかたがない、と。
アラバマ・シェイクスは、正にその御当地で2009年結成のサザン・ロック・バンド。紅一点のダイナマイト、や、ダイナミックなヴォーカリスト、ブリタニー・ハウォードをフロントとする、ワイルドなガレージ・ブルーズ・ロッカーですね。よくいうなら魂をふるわせる、凄まじいライヴが真骨頂。音の‘力’は申しぶんありません。しかし、少しエグイ嫌いもみられます。2012年リリースのデビュー・アルバム“Boys & Girls”は、Billboard 200で最高第8位をマークと、まずまずでした。
ハンター・ヘイズは、米南部ルイジアナ生まれの21歳のカントリー系シンガー・ソングライター。甘いマスクの好青年ですね。聲も、青く、甘い。んでもってその上、ピアノ、ギター、ベース、ドラム、アコーディオン、マンドリンetc.となんでも奏でてしまうマルチ・プレイヤー。しかも、ぽっと出のボーヤですらない。ショウビジネスを始めたのがなんと4つからですから。8歳にしてつくったデビュー作以来、自主制作盤のアルバムも5作リリースしていたりして。言う事の無い新人賞候補といえるでしょう。むろん未だカントリー界でスターダムへのし上がっただけですが、むしろ票は固まりそうですし。尚、2011年中秋リリースのデビュー・アルバム“Hunter Hayes”は、ゴールド・ディスクとなっています。
ザ・ルミニアーズは、近年要注目のオルタナティヴでフォーキッシュなアメリカーナ系ルーツ・ロック・バンド。快い弦の響に心の襞をくすぐられます。少しシブイかもしれませんが、同系統のマムフォード&サンズが時の流れをつかんでいる今、全く目が無いともいえません。2012年リリースのデビュー・アルバム“The Lumineers”も、Billboard HOT100を現在第5位で上昇中の“Ho Hey”のヒットにそのまんまのっかって再浮上と、勢いがついてまいりました。
フランク・オーシャンは、カリフォルニア生まれながら、ニューオーリンズで育まれた、25歳のR&Bシンガー・ソングライター。幻想的な音世界に漂う、しなやかなスウィート・ソウルが心をとらえます。かつて、ブランディー、ジョン・レジェンド、ジャスティン・ビーバー等のゴーストライターもしていたとか。やがてそのへんの音楽的能力が認められ、カニエ・ウェストとジェイ・Jら2大巨頭共演アルバム“Watch The Throne”のレコーディングに関わったりも。じわじわとその名が知れわたりました。2012年リリースのデビュー・アルバム“Channel Orange”は、Billboard 200の最高第2位を奪うヒットとなっています。
で、ファン.。ニューヨークのオルタナティヴ・ロック・バンドですね。シャレたパワー・ポップをストレートに決めてくれます。私もトリコのぶっとびソウル娘ジャーネル・モネイをフィーチャーしてつくられた“We Are Young”は、すがすがしくも(えッ?)ハチャメチャなヴィデオクリップの面白味も相まって、No.1ヒット。5,731,000コピーを売るベストセラーとなりました。むろん同作品を含む2012年リリースの2ndスタジオ・アルバム“Some Nights”も、658,000コピーを売るゴールド・ディスクとなっています。
というわけで、上記候補陣のマコトニモッテ熱……くない闘い。ファン.以外一体誰が獲るっていうんでしょうか(2009年リリースのデビュー・アルバム“Aim And Ignite”は無かった事にして)?
まァ、エスペランサ・スポルディングの例がありますからね。なんともいえませんが(^.^;
それにしても、なんて渋いノミニーズ。2012年ってそんな新人群不作の年でしたっけ? と思いかえしてみれば、ワン・ダイレクション、ゴティエとキンブラ、カーリー・レイ・ジェプセンとぞろぞろ。彼らって何故選ばれないんでしょうか。ワン・ダイレクションは条件面、実績面、見映面のいかなる点からみても申しぶんなし。ってか、全く以て似つかわしい。ゴティエはそりゃもうデビューからずいぶん時を経てはいますが、米国内でブレイクアウトを果たしたのは正真正銘今年ですからね。ヘイズよりも、初レコーディングは後ですし。カーリー・レイ・ジェプセンも、No.1ヒット“Call Me Maybe”がファン.を凌ぐ6,138,000コピーを売っているわけで。しかも、それが‘ソング・オブ・ザ・イヤー’の候補曲としてエントリーしているにも関わらず。2008年にデビュー・アルバム“Tug Of War”をリリースしているから? なるほどね……ん? じゃあファン.の“Aim And Ignite”はどう鑑みるの?
と、何か恣意的なものをうっすら感じてしまいますね。
<つづく>
