Forever “Take Five”……R.I.P. Dave Brubeck

初めてそれにふれた時、心がゆれました。わくわくし……しかる後、そわそわと。

“Take Five”、そしてリード曲の“Blue Rondo A La Turk”。
デイヴ・ブルーベック・クォーテット、1959年のスタジオ・アルバム“Time Out”の収録曲、5/4タイム、または9/8タイムという変わったリズムで綴られるそれらの曲に1発で魅せられてしまったのです。リズミカルながらつられて踊りだしたくなるようなものでもなく、ヤケドしそうなくらい熱いともいえず、スリリングといえども迫り来るほどじゃない……にもかかわらず。それはエスプレッソを啜りながらながめるアブストラクト・アートのようなものでした。正にジャケットを彩る、ハワイ生まれの日本人移民の子S・ニール・フジタの画の如く。

曲をつくったのもそれぞれコンボのフィーチャリング・サクソフォニスト、ポール・デズモンドと、かたやバンドリーダーにしてピアニストのブルーベック。クールなウェスト・コースト・スタイルのジャズというのはどんなものなのかがそのシャレたプレイからじんわりと感じられたものです。

そんなジャズの異なった面白味を示してくれたリヴィング・レジェンドが、91年のクールなショウの幕を降ろしました。

此の世の果てまで続くかと思われた“Take Five”のピアノのリフレインも時が来ればいつも終わったように。

David Warren “Dave” Brubeck (1920.12.6 California – 2012.12.5 Connecticut)

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