The Hunger Games : Songs From District 12 And Beyond

Phantom Liner Notes :

“The Hunger Games : Songs From District 12 And Beyond” -4-

9 “Kingdom Come” The Civil Wars

2012年、グラミー賞でベスト・カントリー・デュオ/グループ・パフォーマンス賞とベスト・フォーク・アルバム賞獲得、ジャンルをまたがって注目集め、今が旬の米男女オルタナティヴ・フォーク・デュオ、ザ・シヴィル・ウォーズ。ドラマティックなラヴ・バラッドをエモーショナルに唱うのが常の彼ら、本作品もまた、ストーリーをベースとしたスロー・バラッドを情感豊かにものしています。牧歌的なアメリカン・ルーツ・ミュージックふうながら、‘今’を感じさせられる音楽性が心地良し。終わりのない緊張感が伝わってきます。強烈な賛歌。

10 “Take The Heartland” Glen Hansard

1970年4月21日、アイルランド・ダブリン生まれのフォーク・ロック系シンガー・ソングライター、グレン・ハンサード。ザ・フレイムズなどのバンドでもおなじみ、俳優業も共にしており、2007年、バンドのレパートリー“Falling Slowly”が、彼主演の米映画のテーマ曲としてスポットライトを集め、アカデミー・ベスト・オリジナル・ソング賞獲得を果たしています。熱く、エネルギッシュ。しわがれた聲でなお、叫ぶ! 叫ぶ! 叫ぶ! 狂おしく張り裂けるようにぶっとばすロック・スピリットに駆り立てられます。ゲームの残忍性を映し出しているかのよう。

11 “Come Away To The Water” Maroon 5 featuring Rozzi Crane

アダム・レヴィーンを核にハイスクールのスクールメイツでつくられた米ロスアンジェルスのロック・バンド、マルーン5。1997年、1作のアルバムを残し、メンバー・チェンジ、2002年、デビュー・アルバム“Song About Jane”でブレイクアウトを果たしました。しっかりとした音にのっかって、荒れ野を行く兵の‘想い’を画いたような曲ですね。実は一つ前のグレン・ハンサードがつくった曲。殺し合いのなんともやりきれない想いをほのかに含みつつ、敵に立ち向かうという、或る種孤高の姿を現わすような曲になっています。そっと寄り添うロージー・クレインの艶やかな歌の裏に潜む悲しみがアクセントに。ロージーは、米サンフランシスコ生まれの21歳妙齢のシンガー・ソングライター。アダムの極私的なレーベル222レコーズのタレントとしてふだんはソウルフルなレトロ・ポップを唱っています。

12 “Run Daddy Run” Miranda Lambert featuring Pistol Annies

1983年11月10日、米テキサス生まれのカントリー系フィーメイル・シンガー・ソングライター、ミランダ・ランバート。“Nashville Star”2003年のファイナリストで、第3位に止まったものの、ブレイクアウトを果たしました。今や、ブレイク・シェルトンと夫婦共にカントリー界のトップ・スターへのし上がっています。そんなミランダを核に、アシュリー・モンロー、そしてアンジェリーナ・プレスリーらからなるグループがピストル・アニーズ。カットニスは強い……けれど、ただのティーンズのオンナのコでもあるわけで。父を亡くした事がどうその心に影を落としているのか? そんなもろもろのメッセージがつまっています。生きるというのは辛い事。ハイトーンのせつないヴォーカル・コンビネイションが哀しさを誘います。

<つづく>

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