来る27日、30歳となるニューオーリンズ生まれのラッパー&シンガー・ソングライター、リル・ウェイン(ウィージー)が、なんとエルヴィス・プレスリーと並んだという、(陰の聲 : とんでもない出来事の筈なんだけれども、ほんとうに並んだという感じでもない)大記録をマークしてしまったと、Billboardが伝えています。
2012.9.29HOT100で、ジューシー・Jの“Bandz A Make Her Dance”のフィーチャリング・アクト(2チェインズといっしょに)として、第71位へエントリー。通算108曲目のエントリーとなったため、ソロ・アクトとしてそれまで最高峰だったエルヴィス・プレスリーと並んだというものです。尚、同記録の総合第1位は、TVショウ“Glee”キャスト・グループのもつ204曲となっています。
以下続くポジションをみわたしても、91曲のジェイムズ・ブラウンを始め、レイ・チャールズ、アリサ・フランクリン、ザ・ビートルズ、エルトン・ジョン、スティーヴィー・ワンダー等々将来上乗せがそれほどない(または止まった)アクトが多く、敵はジェイ・Zくらいなため、ソロとしてみるなら彼が今後前人未到の最高新記録を矢継早に塗りかえていく事はまずもって疑いないでしょう。
でもね、プレスリーと並んだとかいわれても、当然色々物言いはついたりします。
いわく、HOT100は1958年の夏以降記録として計られるため、プレスリーのヒット・ソングは31曲もノーカウントとなってしまう点。なんとその中に“Heartbreak Hotel”、“Don’t Be Cruel”、“Hound Dog”、“Love Me Tender”、“Jailhouse Rock”などが含まれるんですから、まァいいじゃないかそのくらいともいえませんよね。
いわく、プレスリーはすべてが彼独自のリード曲なのに比べ、ウィージーはリードをとっているのが42曲で、残り66曲がフィーチャリング・アクトとしてのそれである点。
いわく、米国内でヒットとして認めてもらえるトップ40へエントリーしたものが、プレスリー80曲と比べ、ウィージー57曲と、少な目な点。トップ10ヒットも、25 : 17と、ビハインドとなります。しかも、くりかえしますが、プレスリーはメインなレパートリーを相当落とした上でのそれですから。
いわく、ウィージーの記録曲にランク1週のみのものがかなり多い点も見のがしにくい、と。
それにしても、プレスリーが1958年以来2003年までの45年というスパンでつくったものに、たった13年で並んでしまったってのは、‘怪記録’といえるでしょう。インターネットワーキング……ストリーミング……ダウンロード、恐るべし。
音楽録音作品を楽しむというスタイルそのものがシステムからしてもう日々、刻々と様変わりしているようすが窺えます。
