筍も 沢山生えると 紛らわし
見た目金光
切っても‘姫’無し?
“American Idol”、“The X Factor”、“The Voice”……そのほかにもそっくりなのがいっぱいあるのですが、シノギを削るリアリティー・シンギング・コンペティション・ショウ系番組。それゆえか、そもそもの喉自慢素人がスターへ育つのをリアルタイムで見る、というドラマティックな面白味がすっかり薄まりました。今や、スター審査員(またはコーチ)のリアクションこそがその見どころとか言わんばかり。各番組、審査陣に凄いラインアップをそろえるべく、金と力を注いでいるようです。
そんな争奪戦の中、今回的を外しちゃったのが、“The X Factor”。なんせあのブリトニー・スピアーズ、そしてデミ・ロヴァートですからね、すったもんだの末に決まったのが。玄人審査員はもういるからいいんだと言うんでしょうけれども。ディズニー系のスターをそろえていったいどこへ行こうとしているのかと?
“American Idol”はその点うまく収まった感じ。マライア・キャリーは、なんてったってスーパースターなので、ありがたみがあります。で、笑い(?)をとるのが、ニッキー・ミナージュ。ハイファッションなイマジネイションをもっているため、真面目に語ったら語ったでそれもまたよし、というわけで。さらに、ニコール・キッドマンというセレブを妻にもつカントリーのトップ・スター、キース・アーバンも絡むんですから言うことありません。
“The Voice”も然り、ですね。今回第3季に至るまでまったく変わりませんでしたが、同じラインアップで上昇中の勢いをわざわざ止めることもなし。にもかかわらず、クリスティーナ・アギレラ、そしてシーロー・グリーンが一旦休む(共にカムバックするつもりらしい)なんてもったいない、と思っていたら、そのかわりを聴いてびっくり。アッシャー、そして、シャキーラが埋めるってんですから。誰だって、振り向かせたくなるでしょう、彼らなら。しかも、彼らといっしょに競えるなんてもう夢のようですよね。出るのも楽しいし、見るのも盛り上がるってものです。と、現状勢いがどんどん増しているのに、次回も最強の布陣をかまえているため、いわゆるわくわく感がそのままずっと止まることがない流れ。ライヴァルのサイモン・コーウェルも、正に踏ん張りどころでしょう。
しかしちょっと待ってくださいね。なんか、変だぞと。
そこで、クイズ。
近年同上番組で誰が栄に浴したか、誰がその後どのへんまでヒットしたのかとか覚えていますか?
答は言いませんが(^.^;
ショウのオンエアー年と次の年くらいまでなら、瞬間風速的な売れっぷりを示す人は、今もそれなりにいます。けれどもその後数年に亘り、勢いをもつのは難しいでしょう。数千万の票を得たって、3年はもたないなんて、なんだかおかしい……。とはいえいつかはかぐや姫も月へ帰ってしまうわけですから、なんて話じゃないし。
何よりもまずスター・サーチ・ショウというのは、スターを探すものだと思っていたら、‘スター’が探すものだった、と。でもいったい何を?
