Special : Hit Songs Of The Summer 1985-2011
-5- 1997・1998・1999
Billboard社発表の年次夏季総合ランキングを基に、‘想い出の夏ソングは何か?’を辿るツアー。つづいては、’90sっていうか、20cフィナーレ3年のそれです。尚、同ランキングは、Nielsen BDSの‘ラジオ・モニタリング’エアプレイ数とNielsen SoundScanの‘POS’ディスク・セールス数のデータに基づいてつくられています。
I’ll Be Missing You | Puff Daddy & Faith Evans featuring 112
1997
1 I’ll Be Missing You / Puff Daddy & Faith Evans featuring 112
2 MMMBop / Hanson
3 Bitch / Meredith Brooks
4 Return Of The Mack / Mark Morrison
5 Quit Playing Games (With My Heart) / Backstreet Boys
6 Say You’ll Be There / Spice Girls
7 Do You Know (What It Takes) / Robyn
8 Semi-Charmed Life / Third Eye Blind
9 Mo Money Mo Problems / The Notorious B.I.G. featuring Puff Daddy & Mase
10 G.H.E.T.T.O.U.T. / Changing Faces
<Billboard : Nielsen BDS | SoundScan>
11週連続No.1、3,000,000枚突破のマルチ・ミリオンセラー、グラミー賞獲得……ヒップ・ホップ・シーンのダディ、ショーン・コムズが、若くして殺されてしまった友ザ・ノトーリアスB.I.G.(ビギー)を偲んでつづった曲“I’ll Be Missing You”(ポリスの “Every Breath You Take”をベースとして、唱うフェイス・エヴァンズなどが曲づくりにからんでいる)がトップをつかんだ同年夏。シーンのリードオフ・アクトともなった彼はそのうえもう1曲、フィーチャリング・アクトとして曲づくりなどにも関わったビギーの曲で夏のトップ10を飾り、漲るパワーを見せつけています。
そんなわけで、ブラック系若干優勢なのは変わりませんが、米/英・男/女のアイドル・グループもエントリーし、ヴァリエイションは少し出た感じでしょうか。
‘締め’の1曲は、ヒット中39歳となる、米オレゴン生まれのオルタナティヴ・ロック系美人シンガー・ソングライターが、自ら‘ビッチ’とののしるワイルドなラヴ・ソング。歌そのものはかわいかったりしますが。ギターのパフォーマンスも決まっています。最高第2位に4週ランク、ゴールド・ディスクとなりました。
Bitch | Meredith Brooks
The Boy Is Mine / Brandy & Monica
1998
1 The Boy Is Mine / Brandy & Monica
2 You’re Still The One / Shania Twain
3 Too Close / Next
4 My Way / Usher
5 Adia / Sarah McLachlan
6 My All / Mariah Carey
7 Come With Me / Puff Daddy featuring Jimmy Page
8 Everybody [Backstreet’s Back] / Backstreet Boys
9 Make It Hot / Nicole featuring Missy “Misdemeanor” Elliott & Mocha
10 All My Life / K-Ci & JoJo
<Billboard : Nielsen BDS | SoundScan>
19歳のカリフォルニア娘ブランディと17歳の南部娘モニカ、喉自慢のティーンズ・スターと共通項も多く、ライヴァル視し合っているという噂が絶えなかったため(むしろ、ファンがそうだった)、或る意味衝撃的なコラボレイションだった“The Boy Is Mine”(ブランディが自らそのソロ曲をモニカと唱ってみたいと望んだのだそう)。しかし、力をもつふたりのデュエットは快いケミストリーを生み、エモーショナルな出来映えとなりました。両人初の13週連続No.1、マルチ・ミリオンセラーとなり、グラミー賞獲得までも果たしています。
依然傾向的に‘アーバン・ブラック’な色をなす同年夏、パフ・ダディとジミー・ペイジのそれなどもヒットし、異色共演曲にスポットライトが当たりました。カントリー界の女性陣随一のスーパースター、シャナイア・トゥエインの姿もみられます。
‘締め’の1曲は、フォーキッシュなタッチのアダルト・コンテンポラリー・ロックでトップ・スターダムへのし上がった、30歳、カナダのフィーメイル・シンガー・ソングライター、サラ・マクラクラン。美しいしらべとクリスタルな響をもつ“Adia”で。彼女自身最高の第3位となるヒット、ゴールド・ディスクをもらっています。
Adia | Sarah McLachlan
Genie In A Bottle | Christina Aguilera
1999
1 Genie In A Bottle / Christina Aguilera
2 If You Had My Love / Jennifer Lopez
3 Bills, Bills, Bills / Destiny’s Child
4 Last Kiss / Pearl Jam
5 Where My Girls At? / 702
6 I Want It That Way / Backstreet Boys
7 All Star / Smash Mouth
8 Wild Wild West / Will Smith featuring Dru Hill & Kool Moe Dee
9 Livin’ La Vida Loca / Ricky Martin
10 It’s Not Right But It’s Okay / Whitney Houston
<Billboard : Nielsen BDS | SoundScan>
一見例年並と思われそうな1999年の夏ですが、ラテンな隠し味が秘められています。ディズニー・チャンネルでスターだった子役上がりの18歳、ニューヨーク生まれのクリスティーナ・アギレラが初登場。“Genie In A Bottle”は5週連続No.1、ミリオン・セールスを果たしたベストセラー・ヒットとなり、グラミー新人賞をもたらしました。小悪魔ふうなかわいらしいキャラクターとそのハイトーン・ヴォイスからは想いもよらず、歌に力を感じられ、哀愁漂うしらべと交わって魅せられます。
‘締め’の1曲は、ほんのりと‘ラテンな夏’に似つかわしい、27歳、プエルトリコ生まれのシンガー、リッキー・マーティン。コチラもまた、ボーイ・バンド、メヌードで幼くしてヒスパニックのスーパースターへのし上がった人ですね。ソロとしてもそのままスターぶりをキープしていましたが、世界的進出を求め、初の英語詞に挑んでもいるアルバム“Ricky Martin”のリード曲として全米初の5週連続No.1&ミリオンセラーとなったのが、“Livin’ La Vida Loca”。ラテン系‘御約束’の熱いパフォーマンスが決まっています。佇まいからしたらいかにもオンナのコを一杯泣かしているかのように感じられましたが、泣いていたのはオンナのコだけじゃなかったという……(^.^;
Livin’ La Vida Loca | Ricky Martin
<つづく>
