Summer Music Fun

Special : Hit Songs Of The Summer 1985-2011

-4- 1994・1995・1996

Billboard社発表の年次夏季総合ランキングを基に、‘想い出の夏ソングは何か?’を辿るツアー。つづいては、’90sミドル3年のそれです。尚、同ランキングは、Nielsen BDSの‘ラジオ・モニタリング’エアプレイ数とNielsen SoundScanの‘POS’ディスク・セールス数のデータに基づいてつくられています。

I Swear | All-4-One

1994 

1 I Swear / All-4-One

2 Stay (I Missed You) / Lisa Loeb & Nine Stories 

3 Don’t Turn Around / Ace Of Base 

4 Can You Feel The Love Tonight / Elton John 

5 Fantastic Voyage / Coolio 

6 Regulate / Warren G & Nate Dogg 

7 Any Time, Any Place / And On And On / Janet Jackson 

8 Back & Forth / Aaliyah 

9 Wild Night / John Mellencamp with Me’Shell Ndegeocello 

10 I’ll Make Love To You / Boyz II Men

<Billboard : Nielsen BDS | SoundScan>

’90sR&Bシーンのムーヴメントの一つとなったのが、ア・カペラ含むヴォーカル・ハーモニーを業とするコーラス・グループのブームでした。リードオフをつとめたボーイズIIメンを始め、シャイ等いくつものアクトが熟しまくった喉を競い合っています。オール4ワンもその一つ。“I Swear”は、11週連続No.1、ミリオン・セールスを果たした曲で、ブラック系若干優勢の同年夏を制しています。

‘締め’の1曲は、米ポップ・ロック系シンガー・ソングライターのリサ・ローブ26歳の出世作“Stay (I Missed You)”。ヴィデオクリップは、しょっぱなからかわいらしい猫を映し出し、まるでそのプライヴェイト・ルームにおじゃましたような、ほんわかしたムードに浸り、頬が緩んでしまいます(やがてそんな曲じゃないと気づくのですが)。オンナのコらしい曲のフィーリングにもぴったり。米映画“Reality Bites”サウンドトラック曲として、3週連続No.1をマークし、ゴールド・ディスクとなるなど、申しぶんのないブレイクアウトを果たしましたが、以後、同曲を上回るヒットはみられませんでした。

Stay (I Missed You) | Lisa Loeb & Nine Stories

http://vimeo.com/44637239

Waterfalls | TLC

http://www.dailymotion.com/video/xt8nd_tlc-waterfalls_music?search_algo=2

1995 

1 Waterfalls / TLC

2 Don’t Take It Personal (Just One Of Dem Days) / Monica 

3 One More Chance / Stay With Me / The Notorious B.I.G. 

4 Kiss From A Rose / Seal 

5 Water Runs Dry / Boyz II Men 

6 Boombastic / In The Summertime / Shaggy 

7 Have You Ever Really Loved A Woman? / Bryan Adams 

8 I Can Love You Like That / All-4-One 

9 Total Eclipse Of The Heart / Nicki French 

10 Run-Around / Blues Traveler

<Billboard : Nielsen BDS | SoundScan>

ブラック系優勢はそのまんま。なんとトップ1・2をその女性陣が獲っています。

トップのTLCは、T-Boz、Left Eye、Chilliらからなるアトランタのヒップ・ホップ・トリオ。9曲のトップ10ヒット(内4曲がNo.1、すべてゴールド&プラティナム・ディスク)を生み、’90sムーヴメントともいえるものの一つ、ストリートの匂いをもったニュー・エイジ・ガール・グループ・ブームのリードオフ・アクト的存在となっています。“Waterfalls”はそのピークで生まれた1曲で、7週連続のNo.1をマーク、ミリオンセラーとなりました。愛らしいのに、スリリングなヴォーカル・コンビネイションに心、躍ります。

‘締め’の1曲は、ロンドン生まれのソウル系シンガー・ソングライター、シール32歳の時に生まれた、彼唯一のNo.1&ゴールド・シングル“Kiss From A Rose”。そもそもは前年夏、英国内でヒットしたものですが、翌年夏、米映画“Batman Forever”サウンドトラックの1曲として再発後、英米共にビッグ・ヒットを果たしました。インタヴューでじかにふれると、ジョーダンですまないくらい御茶目な人ですが、たぶんそんな複雑な性格が哀感につながって、彼独自のエモーショナルな音世界を醸し出しています。

Kiss From A Rose | Seal (“Batman Forever” version)

Macarena (Bayside Boys Mix) | Los Del Rio

1996 

1 Macarena (Bayside Boys Mix) / Los Del Rio

2 You’re Making Me High / Let It Flow / Toni Braxton 

3 Tha Crossroads / Bone Thugs-N-Harmony 

4 Give Me One Reason / Tracy Chapman 

5 How Do U Want It / California Love / 2Pac featuring K-Ci And JoJo 

6 C’mon N’ Ride It (The Train) / Quad City DJs 

7 Twisted / Keith Sweat 

8 Always Be My Baby / Mariah Carey 

9 Because You Loved Me / Celine Dion

10 I Love You Always Forever / Donna Lewis

<Billboard : Nielsen BDS | SoundScan>

もしかしたら、同年夏のトップが最も夏らしい曲かもしれません。セヴィーリャ発、スパニッシュ・ラテン・ポップ・デュオがなんとなく当ててしまった、世界的ヒット“Macarena”。‘Bayside Boys Mix’となり、英語詞をプラスし、大爆発に結びついています。曲そのものは前の年からずっと続くロングセラー・ヒットですが、同年夏14週連続No.1、米国内のみで4,000,000枚突破を果たしました。ラテンの同系統の曲ってのはどうも時々突発的に大流行してしまう不文律が決まっているようで。楽しいからいいんじゃないでしょうか(ー_ー)

それにしても、ポップ・ロック系男子皆無なのはいったいどうなっているのか、と。’90年代入りしたくらいからずっと事実上弱含みでしたけれども、ね。

‘締め’の1曲は、そんな弱いオトコどもをテダマにとりそうなトニー・ブラクストンの“Let It Flow”。新人賞獲得以来グラミー賞常連、セクシーなR&B系美人シンガーとして鳴らした人ですね。“You’re Making Me High”とカップリングしての同作品は、両A面としてビッグ・ヒット。本人初のNo.1ヒット、ミリオンセラーとなっています。ホイットニー・ヒューストン主演作“Waiting To Exhale”のサウンドトラック曲。なまめかしいその歌に惑い、囚われてしまいそう。

Let It Flow | Toni Braxton

http://www.dailymotion.com/video/xapnu_toni-braxton-let-it-flow_music

<つづく>

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