Special : Hit Songs Of The Summer 1985-2011
-3- 1991・1992・1993
Billboard社発表の年次夏季総合ランキングを基に、‘想い出の夏ソングは何か?’を辿るツアー。つづいては、’90sプレリュード3年のそれです。尚、1992年以降の同ランキングは、Nielsen BDSの‘ラジオ・モニタリング’エアプレイ数とNielsen SoundScanの‘POS’ディスク・セールス数のデータに基づいてつくられています。
I Wanna Sex You Up | Color Me Badd
1991
1 (Everything I Do) I Do It For You / Bryan Adams
2 Rush Rush / Paula Abdul
3 Unbelievable / EMF
4 I Wanna Sex You Up / Color Me Badd
5 Right Here, Right Now / Jesus Jones
6 Every Heartbeat / Amy Grant
7 It Ain’t Over ‘Til It’s Over / Lenny Kravitz
8 Summertime / DJ Jazzy Jeff & The Fresh Prince
9 P.A.S.S.I.O.N. / Rhythm Syndicate
10 Fading Like A Flower (Every Time You Leave) / Roxette
<Billboard>
トップは、死ぬまでずっと18歳とうそぶいたカナダの若大将ブライアン・アダムス、31歳のマルチ・ミリオンセラー・ヒット。ケヴィン・コスナーの主演冒険映画“Robin Hood : Prince of Thieves”のサウンドトラック曲だった絡みから、彼最大の7週連続No.1というビッグ・ヒットとなっています。まァ、‘天晴永遠青春ヤロー’ですからね。1991年の夏は貰ったみたいなキブンだったでしょう。
そのまったく逆、みるからに悪そうなオクラホマの青大将(?)カラー・ミー・バッドは、彼と比べ実年齢で10歳も若いニュー・ジャック・スウィング系R&Bヴォーカル・グループ。ストリートのヤバイ匂いがむんむん漂っていますが、歌は結構決まっていたりして。イカシていました。最高第2位に止まりましたが、デビュー・シングルにしてマルチ・ミリオンセラー・ヒットとなっています。
同年夏は、ヴァラエティに富んでいますが、なんとなくフレッシュな曲が多かったように感じられますね。
‘締め’の1曲は、なかでもとくに‘夏’らしいものを、と思い、フィラデルフィアのヒップ・ホップ・デュオ、DJジャジー・ジェフ&ザ・フレッシュ・プリンスが最高第4位ながらミリオン・セールスを果たした、ズバリ“Summertime”で。そのかたわれフレッシュ・プリンスとしてラップを楽しそうにかましていたオトコ、つまりウィル・スミスが22歳の時のヒットでした。
Summertime | DJ Jazzy Jeff & The Fresh Prince
Under The Bridge | Red Hot Chili Peppers
1992
1 Baby Got Back / Sir Mix-A-Lot
2 End Of The Road / Boyz II Men
3 Baby-Baby-Baby / TLC
4 I’ll Be There / Mariah Carey
5 Under The Bridge / Red Hot Chili Peppers
6 Achy Breaky Heart / Billy Ray Cyrus
7 Just Another Day / Jon Secada
8 This Used To Be My Playground / Madonna
9 Life Is A Highway / Tom Cochrane
10 November Rain / Guns N’ Roses
<Billboard : Nielsen BDS | SoundScan>
シアトルのヒップ・ホップMC、サー・ミックス・ア・ロットを頭として並ぶトップ3のみをみると、ブラック系優勢かとなりますが、トップ10までみるとヴァリエイション豊かって感じです。同年秋に生まれたディズニー系アイドル、マイリー・サイラスの父で、ケンタッキー生まれのカントリー・シンガー兼アクターのビリー・レイ・サイラス、唯一初のポップ系トップ10ヒットにしてミリオンセラーとなる“Achy Breaky Heart”もエントリーしていますし。
ロスアンジェルスのオルタナティヴ・ロック・バンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのキラー・バラッド“Under The Bridge”は、最高第2位に止まるも、ゴールド・ディスクに。美しくもミステリアスな音世界に酔います。
‘締め’の1曲は、オトコ臭いカナダのロック系シンガー・ソングライター、トム・コクラン39歳の唯一初のトップ10ヒットにしてゴールド・ディスクとなる“Life Is A Highway”。たんたんと進み、クライマックスでどかんとくるポップ・ロックの王道的佳曲ですね。2006年、米カントリー・ロック・グループのラスカル・フラッツがカヴァーし、再びトップ10ヒットとなりました。
Life Is A Highway | Tom Cochrane
http://www.dailymotion.com/video/xcu99c_tom-cochrane-life-is-a-highway_music?search_algo=2
That’s The Way Love Goes | Janet Jackson
1993
1 Can’t Help Falling In Love / UB40
2 Whoomp! (There It Is) / Tag Team
3 Weak / SWV
4 That’s The Way Love Goes / Janet Jackson
5 Lately / Jodeci
6 Knockin’ Da Boots / H-Town
7 I’m Gonna Be (500 Miles) / The Proclaimers
8 Show Me Love / Robin S.
9 Slam / Onyx
10 I’ll Never Get Over You (Getting Over Me) / Expose
<Billboard : Nielsen BDS | SoundScan>
英バーミンガムのポップ・レゲエ・バンド、UB40が同年夏を制しています。それにしても、オリジナルがそもそもポップ・スタンダードで、いくらソフトなブリティッシュ・タッチだとはいえ、レゲエがトップを獲るとは……。トップ10までみても、ブラック系音楽隆盛の極みとなっています。なんせラテン色の交わったガール・グループ、エクスポゼを外したら、ザ・プロクレイマーズのみですからね、純白人ミュージシャンが。それも、英スコットランドのフォーキッシュなロック・バンド。米国人のオトコはどうしたー(^.^;
“That’s The Way Love Goes”は、すでにスーパースターだったジャネット・ジャクソン27歳の夏のミリオンセラー・ヒット。通算6曲目のNo.1をマークしています。愛らしくなめらかなハイトーンは、艶やかなラヴ・ソングに似つかわしく、思わずうっとり。私がインタヴューをした際もそう感じられましたが、慎ましいキャラクターが幸いして、妖艶風にならないのも鍵となっています。
‘締め’の1曲は、“Lately”。御存知、スティーヴィー・ワンダー1981年のオリジナル自作曲ですね。彼本人のヴァージョンは知られているほどヒットしませんでした。それを、北カリフォルニアのR&Bヴォーカル・バンド、ジョデシーがMTVの‘Unplugged’で唱い、最高第4位にランクのトップ10ヒット、ゴールド・ディスクとなっています。素のなまめかしいヴォーカル・コンビネイションにゾクッ。
Lately | Jodeci
<つづく>
