2012 London Olympic Closing Ceremony : The Road To Rio
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アマゾン河流域の先住民の古来祭儀風な舞いから、北東部ペルナンブーコ発祥舞踏系の流れをくんだマラカトゥ・フラル、つまりいなかのマラカトゥを踊る1団めいたものの後で現われたのが、1973年10月26日、リオデジャネイロ生まれのブラジリアン・ヒップホップ・アクト、ベーネガォン。かつてプラネット・ヘンプというハードコアでラテン系のエッセンスも含むオルタナティヴ・ヒップホップ・ロック・バンドのMCを務め、今は自らBNegão & Os Seletores De Frequênciaというバンドを率いてもいるオトコですね。かなりアツクルシイ感じです。そんな彼が唱っているのは、“Maracatu Atômico”。
そもそもは、カエターノ・ヴェローゾに‘トロピカリズモの先駆的存在’と言われたリオデジャネイロ生まれのシンガー・ソングライター、ジョルジ・マウチネルと、今世紀オルケストラ・インペリアルのギタリストとして、活躍中だったにもかかわらず、今年惜しくも亡くなってしまったコンポーザーのネルソン・ジャコビーナがつくった曲でした。ジルベルト・ジルを始め、カエターノなどもレコーディング、そういえばかのマリーザ・モンチもナナ・ヴァスコンセロスの司るマラカトゥ隊とコラボレイションをした際、唱っていましたっけ。そんなMPBクラシックですが、彼がどのように唱ったかというと。シコ・サイエンス&ナサォン・ズンビの‘マンギビート’ヴァージョン風。ブラジリアン伝統音楽的リズムとパンク、ファンク、ヒップホップなどが交わったものですね。まったくもってハマッていました。
<つづく>
Chico Science & Nação Zumbi
Marisa Monte e Naná Vasconcelos
Jorge Mautner
R.I.P. Nelson Jacobina
