2012 London Olympic Music Q : A3
それは、クリフ・リチャードでした。
なんてったって、英国民が最も愛してやまないスーパースター。レコーディング曲のヒット・ヒストリーのみたどってみても、英国人アクトとしてほかをまるで寄せつけませんからね。
1958年からのそれはほんとうに凄まじいものといえるでしょう。英シングル・チャートでみてみると。’50s(1958-’60年)のNo.1ヒット4曲(トップ10ヒット10曲)、’60s(’61-’70年)のNo.1ヒット5曲(トップ10ヒット29曲)、’70s(’71-’80年)のNo.1ヒット1曲(トップ10ヒット5曲)、’80s(’81-’90年)のNo.1ヒット3曲(トップ10ヒット15曲)、’90s(’91-2000年)のNo.1ヒット1曲(トップ10ヒット5曲)、’00s(’01-’10年)のNo.1ヒット0曲(トップ10ヒット4曲)……で、No.1ヒット総合計14曲(トップ10ヒット総合計68曲)。しかも未だトップ10ヒットが止まってから5年も経っておらず。2項目総合計のライヴァルは、エルヴィス・プレスリーか、ザ・ビートルズ、そしてマドンナくらいですから、正に現役英国人アクトの最高峰。53年で英国内21,500,000枚のシングル・セールスは、総合第3位ながら、現役最高記録となります。
そんな人がなぜ?
クロージング・セレモニーも含め、オリンピックの間、サプライズの可能性がないわけじゃありませんが、いかがなものでしょうか……。
しかしほんとうに極私的にみて残念無念心残りだったのは、“Monty Python”の頭が、もとい、影が薄かった点ですね。不世出のコメディー・ショウにして、英国随一至高のアートと認めるそれが大炸裂を果たしたセレモニーだったなら、どれほどおもしろかったでしょう(とはいえまァ、少し近いものがありましたけれども、それゆえもっと、ね)。
素っ裸の見かえりオトコがピアノをジャン! “…and NOW!”で始まったそのセレモニー。クライマックスのトーチ・リレーのアンカーをつとめるジョン・クリーズは、シリー・ウォークでなかなか進まないため、世界中をフラストレイションの極みへと陥れます。かたや、集まったアスリートがシカケられたダイナマイトで次々吹っ飛ぶ中、エリック・アイドルが出て来て音頭取り、皆で“Always Look On The Bright Side Of Life”の大合唱……と。むーん、想いえがくだけでチビリそうですね(^.^;;;
<FIN>
…and NOW!
