HAWHOKKKEKYO 真説大衆音楽”洋”語辞典
番外編 : I Love‘s’ You, Porgy
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土曜日の当ブログ’Eternal Songs Kaleidoscope’の“And I Am Telling You I’m Not Going”パート5でスポットライトを当ててみました、ホイットニー・ヒューストンのAMA授賞式のライヴ。フォークオペラ“Porgy And Bess”からの“I Loves You, Porgy”と“Porgy, I’s Your Woman Now”(“Bess, You Is My Woman Now”のアダプテイション)をイントロダクションとして、同楽曲、そしてオリジナルの“I Have Nothing”へとつながる名パフォーマンスですね。
そうしたらいつも読んでいただいている佳朋様からもらった御指摘が、誰もがみんな必ずそう思う御約束の疑問点だったので、番外編として記してみようかと思います。
ほかでもない、英語文法上、変な言い回しだという点ですね。御指摘、正にその通り。しかし、同オペラではそのままで合っているのです。アフリカン・アメリカンのスラム暮らしをとらえたものゆえ、セリフの言い回しから、詞、楽曲的フィーリングに至るまで、徹底的観察を経てつくられたのだそうで。
つまり、いかにもそれらしくするため、あえて‘s’をつけたみたいなんですよね。“Bess, You Is My Woman Now”となっているのも、‘be’がいろいろ変わるのとかウザイのですべて‘is’でまかなったりするから、と。一つにしたがるのはたしかにそうですが、‘is’のみに限られるものでもないんですけれど。しかし、たとえそれがその通りだったとしても、晴れない靄のようなものが……。
というのも、黒人系英語の最も特徴的な点として、わりとよく取り上げられるのが、三単現……「3人称」、「単数」、「現在」の約束事完全無視。‘s’をつけたりとか、カタチを変えたりとか、そんな面倒臭い事は知らんふりするという。ん? そうなると、‘I Love You’ならむしろつかない方がかなっているのでは? 三単現になじみがないなら、‘I’も、‘she’も、‘you’も、なんでもかんでも‘is’でまとめるってのも、変???
と、なるんですけれどね(^.^;
<つづく>
