ウィークリー・レギュラーのLa Blogothèque‘A Take Away Show’……
本日私がおすすめしますのは、アンナ・カルヴィ。
アンナ・カルヴィは、1982年、ロンドン南西部郊外トウィッケナム生まれの英尖鋭女性シンガー・ソングライター。イタリアンらしく音楽好む父の影響下、幼くしてミュージシャンとなるべく育ったそうです。メシアン、ラヴェル、ドビュッシーを愛し、6歳からはヴァイオリンを。8歳からのギターは、ジャンゴ・ラインハルト、そしてジミ・ヘンドリックスのそれへと惹かれていったとか。尚、ヴォーカルのルーツをなしたのは、マリア・カラス、エディット・ピアフ、ニーナ・シモンとなるらしく。それゆえその音楽性は、アヴァンギャルドなタッチを含むオルタナティヴ・ロック。2010年、シングル・デビューするやいなや、スポットライトを集め、多数音楽賞ノミネートを果たしています。
というわけで、デビュー・アルバム“Anna Calvi”の1曲“Morning Light”を。パリのラジオ局の地下駐車場で撮られたという、文字通りアンダーグラウンドなライヴ。暗い炎がゆらめくように彩られる情念的な音世界がアブノーマルに迫ります。頽廃的空間を貫く紅い息がゆったりとスリルを醸し出し……。そのかたすみで人が死んでいないのが不自然と感じられるくらい。つのる緊張感で息がつまります。闇の中で囚われたまま、再び陽の光を見る事は叶わないかもしれない、と思ったせつな、正しくまぶしい“Morning Light”に誘われて……。
Anna Calvi | A Take Away Show | Morning Light
<February 2012>
