Davy The Best -3-
It’s Nice To Be With You (1968.2/3-1968)
<7th Single>大御所ジェリー・ライバー&マイク・ストーラーのつくったオールドタイムなホンキートンク・タッチの曲”D.W.Washburn”と共にシングルとしてリリース。カップリング曲と比べ、ずっとモンキーズらしい曲でした。ジェリー・ゴールドスタイン作。デイヴィーの歌うストレートなラヴバラッドのマスターピースともいえるでしょう。夢で愛を語っているかのよう。エレガントなピアノが似つかわしい。幸福感で胸がいっぱいになります。オーケストラ・アレンジメントはショーティ・ロジャース。
You And I (1968.5/6/9-1969)
<Album : Instant Replay>デイヴィッド・ジョーンズ&ビル・チャドウィック作。自作曲でプロデュースも自ら携わりました。いつも良い子じゃいられない、と思ったかどうかわかりませんが、彼らしからぬハード・ロック? なのに、どうしても甘くなってしまいがちなのは御愛嬌。けれど、デイヴィーはロックっぽいダーティーな歌いかたをくふうしたそうで。尚、ジェリー・マギーもセッション・リストにその名を連ねていますが、なんといっても凄いのがどうやらニール・ヤングがギターを弾いているらしい点。
The Girl I Left Behind Me (1966.11-1969)
<Album : Instant Replay>キャロル・ベイヤー(・セイガー)とニール・セダカの共作曲で、プロデュースも共に携わっています。デイヴィーらしい、正統派のポピュラー・ソング。ジャズ・ギタリストのアル・ガーファ等がギターで。セダカ自らキーボードも弾いています。
Someday Man (1968.11/1969.1-1969)
<10th Single>”Listen To The Band”とカップリングでシングルとしてリリース。ポール・ウィリアムス&ロジャー・ニコルズのつくった曲で、プロデュース&アレンジメントにボーンズ・ハウが関わりました。つまり、伝説的な人が集う曲。ゆえに、モンキーズのレパートリーの中で異彩放つものとなっています。ダイナミックなタッチと、空を飛ぶ様な心地良いフィーリングをもつ、爽快感のあふれる曲ですね。デイヴィーものびのび歌っているようで。トミー・テデスコ、ラリー・ネクテル、ジミー・ロウルズ、ジョー・オズボーン、ハル・ブレイン等がセッション。フレンチホルンも良い味つけに。
If I Knew (1969.6/7-1969)
<Album : The Monkees Present>デイヴィッド・ジョーンズ&ビル・チャドウィック作。美しくもせつないラヴバラッドをしっとりと歌っています。少しおとなびた彼の心が見え隠れするよう。
French Song (1969.6/7/8-1969)
<Album : The Monkees Present>ビル・チャドウィックが伊映画”La Decima Vittima”を見てつくった曲。ドラマティックな音世界、哀感漂う歌が心の襞をとらえます。ボサノヴァふうというか、ジャズ寄りともいえる(チャドウィックいわくヨーロッパふうな)アレンジメントが閃く、アダルト・コンテンポラリーなスローバラッドの珠玉作。ティム・ウァイズバーグのフルート、そしてエミル・リチャーズのヴィブラフォンが、スリリングでかつファンタスティックなムードを醸し出しています。デイヴィーのそれからを占う曲として、たしかなものを感じていたのですが……。 ともあれいずれにしろモンキーズとして正にフィナーレを飾るにふさわしい曲ではなかったかと。ほんとうにそれで終わったわけじゃありませんが。終わりが見え乍ら、こんなふうに粋な曲を遺してもいたのです。
So Goes Love (1966.7-1987)
<Album : Missing Links>全盛時のアウトテイク。つまり、日の目を見なかったものでした。実際未完成に感じられもするので、なるべくならピックアップしたくなかったのですが、私の中で鳴りやまなかったため、エントリー。キャロル・キング&ジェリー・ゴフィンがつくった曲で、マイクがプロデューサーをつとめています。グレン・キャンベル、アル・ケイシー、ジェイムズ・バートン、そしてピーター・トークのいずれかがギター、ビリー・プレストンがエレクトリック・ピアノ、そしてハル・ブレインがドラムスと、セッションは超豪華。デイヴィーのせつせつとした歌いっぷりがたまりません。ピークで少し耳につく点などが改められたら、今、シングルとしてリリースしてもいいくらい。(尚、曲自体はその後、チップ・ダグラスの絡みから、ザ・タートルズもレコーディング。’67年のベスト盤に収められています。”ベスト盤”? なのですが、実は彼らのほうも未完成。ヒットのカケラもしていません。不思議な縁。それが曲のもつ”命”というものでしょうか)
/// THE MONKEES
かけがえのない人を亡くしてしまいました。
