MADNESS! The Monkees!!!

SuperStarsStory

1★The Monkees -7-

彼らはそれなりにピュアでもありました。バンドとしてなりたっていないにもかかわらず、初めからマイクなどは曲づくりをしていた上、プロデュースにすらしっかり携わっていましたし。だからこそ、あらかじめ描かれていた青写真に甘んじず、3rd”Headquarters”のレコーディングに際し、バンドらしく自らほとんどすべてにわたってトライしてみようなんてコンジョーを見せたりしたのです。

ソウルなどの黒人系音楽を始め、エスニックなものから、エレクトロニックなものまで、あらゆるものに関心示し、革新的なものもすぐ試そうとするミッキー。英国人に似つかわしく、そしてミュージカルをそのルーツとする彼らしく、正統派ポピュラー・ミュージックのセンスをもつデイヴィー。カントリー、フォーク、ロックを基に、曲づくりからオーケストラも含むプロデュース的能力までも備わっていたマイク。グリニッヂ・ヴィレッジのフォーク・サークルをベースとして、サイケデリック・フィーリングに浮かれつつも、しっかりした音楽的感覚を内にもつピーター……とそれぞれ異彩放つ4人の共同体。あまつさえそのヴォーカル・ワークとキャラクターは、同世代ロック・バンドで飛び切り光るものがありました。

いうなれば、音楽映像芸術の粋を極めたようなスター・プロジェクトだったのです。今のポップ・スターに通じるものがありますね。彼らはもとより音楽的素養があったため、完成度も高かったわけで。解散後10年……15年を経て、リアルタイムで4人を知らない新世代のオンナのコたちが、昔のドラマの中の若い彼らをなんら違和感もなく愛してしまったのはそれゆえでしょう。

融合芸術的な共同体として、ザ・モンキーズは、ただのスーパー・アイドル・グループに止まらず、正にエポックメイキングなアーティストでした。それは、たとえ音楽面一本にしぼって鑑みても、然り。そうでなかったら、TVショウの再放映くらいでたやすくリヴァイヴァルしてしまう筈もありませんから。

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