SuperStarsStory
1★The Monkees -5-
しかし、日本人のファンに最も親しまれたといえる”Daydream Believer”と共に1967年が暮れ、年が変わるとその快進撃もダウン。なんとなく我が国は10月の初来日公演を前に盛り上がっていましたけれど。視聴率の下がったTVショウがエピソード58で最終回を迎え、初主演映画”Head”が外れ、年の瀬に行われたTVスペシャル”33⅓ Revolutions Per Monkee”の撮影終了後にはあろうことか音楽的不満を感じつづけていたピーターがグループを離れてしまいます。
彼らならではの結晶度の高い珠玉作”The Birds, The Bees & The Monkees”まではとりあえずゴールド・ディスクをかちとりましたが、ファンタスティックなサウンドトラック盤”Head”、ピーターなしの”Instant Replay”、3人モンキーズのラスト”The Monkees Present”と、音楽的成長が窺われたにもかかわらず、レコード・セールスは急降下。’70年、ついにデュオになってしまったデイヴィーとミッキーは、アルバム”Changes”でモンキーズに終止符を打ったのです。2人は’70年代半ば、ボイス&ハートとバンドを組み、我が国でツアーしたり、マイクも自らファースト・ナショナル・バンドでヒットを生むなど、それぞれその後は音楽界に違う棲み家を求めるようになります。
けれどもそれでは終わりませんでした。
’80年、”Daydream Believer”がCFソングとして使われてリヴァイヴァル・ヒットしたのをきっかけに、東京地区中心にTVショウも再放映。なんと日本で人気が再燃したのです。そして’86年、米MTVでショウが再放映されたのを機に、本国も日本と同様、モンキーズのリヴァイヴァル・ブームを呼びます。奇しくも、結成20周年。ミッキーとピーターによる記念新録曲”That Was Then, This Is Now”も18年ぶりのトップ20ヒットとなり、ベスト2作、旧作品6作、新録作1作でアルバム・チャートも飾ります。さらにミッキー、デイヴィー、ピーターで、150回以上に亘る再結成ツアー(時にマイクもゲストとしてフィーチャー)を行い、大盛況。それは、全盛時と変わらぬティーンズのオンナのコが、30~40代の母と共にコンサートを楽しむという、ほかのスターのいわゆるカムバックとはまったく異なるものでした。そんなバンド、なかなかいません。
<つづく>
