Viewpoint : The 84th Academy Awards
アカデミー賞、決まりましたね。私もその音楽賞のゆくえを楽しみにしていたのですが……。
あまりおもしろくなかったですね。
Best Original Score
“The Artist” : Ludovic Bource (winner!)
“The Adventures Of Tintin” : John Williams
“Hugo” : Howard Shore
“Tinker Tailor Soldier Spy” : Alberto Iglesias
“War Horse” : John Williams
Best Original Song
“Man Or Muppet” from “The Muppets” : Bret McKenzie (winner!)
“Real In Rio” from “Rio” : Sérgio Mendes, Carlinhos Brown, Siedah Garrett
賞のゆくえはご覧の通り。
オリジナル・スコア賞をかちとったのは、仏映画音楽の作曲家、ルドヴィック・ブールスによる”The Artist”でした。ルドヴィックは、ミシェル・アザナヴィシウス監督組の初劇場映画”Mes Amis”以来音楽製作に携わっている人。’06年の”OSS 117 : Cairo, Nest Of Spies”などを経て、同監督のサイレント白黒映画挑戦作”The Artist”で、初ノミネートにして初栄冠、一躍時の人へのしあがりました。今回作品賞を含み、5冠の”The Artist”。サイレントゆえに、音楽が主体の要素として評価されたのはむしろ当然といえるでしょう。時をきちんとこまやかに正しくとらえていたかと問われたらどうか? オリジナル曲以外のものもかなり鍵をにぎっているという疑問点に目をつぶるならですが。古き佳き昔を偲ぶ作りでしたし、ロマンティックでしたけれどね。
そしてオリジナル・ソング賞は、”The Muppets”の1曲へ。マペットのウォルターと共にゲイリーのジェイソン・シーゲルが歌う、哀感漂う(または大爆笑の)スローバラッドですね。人として生きるかマペットとして生きるか悩む歌ゆえに、聴く(観る)ほうもその頬を伝う涙が、哀れみなのか、おかしみなのか、わからなくなりますが(そもそもが紙一重ですし)、心の奥に訴えかけられるものがあるのは確かです。ソングライターのブレット・マッケンジーは、ニュージーランドのミュージシャン/コメディアンで、元ザ・ブラック・シーズ、ジャーメイン・クレメントと組むミュージカル・コメディー・デュオ、フライト・オブ・ザ・コンコーズなどで知られる人。同デュオでグラミーのベスト・コメディー・アルバム部門賞(’07年のEP”The Distant Future”)を獲ったりもしています。
それにしても、ソング賞のノミネートがたったの二つって……。かたや、サンバな”Real In Rio”もまた、アニメ”Rio”の1曲。セルジオ・メンデスとカリーニョス・ブラウンらブラジル音楽界の重鎮連と、マイケル・ジャクソンらとのからみで知られる米R&B系女性シンガー・ソングライターのサイーダ・ギャレットがつくったものではありますが。マペットとアニメの曲、ですよ。いやまァ、ほかにいろいろあって、獲ったのがそれというならまだしも、二つしかない候補曲にふつうのが一つもないってのはいかがなものかと。エンドロールにしか流れないタイアップ曲めいたものを認めないというルールで、リストからそもそも省かれるのはよし。しかし、39曲がリストアップされていたわけですから、なんとかならなかったのでしょうか? 二つがとびきりよかった??? ほかは基準平均点8.25に至らなかったわけですから、きっとそうなんでしょうけれど。
