Grammy 2012 Ceremony

Grammy 2012 Ceremony

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ほんとうにアデルで終わっていたら、否、終われるなら良かったのに……。つらいおわかれパフォーマンスがいくつか、と、フィナーレetc.

The Band Perry “Gentle On My Mind” / Blake Shelton “Southern Nights” / Glen Campbell “Rhinestone Cowboy”

ポップ・カントリーの重鎮連にして国民的スーパースター、グレン・キャンベル。アルツハイマー病を患い、芸能界を離れるにあたり、グッドバイ・ツアー中の彼ですが、当式典においてもスペシャル・パフォーマンスがプログラムされました。

まずは、ポップ・カントリーの青きニュー・スター、ザ・バンド・ペリーが、’67年発表のグラミー受賞曲”Gentle On My Mind”をさわやかにパフォーマンス。ついで、カントリー界のいなせなアニキ、ブレイク・シェルトンが、’77年のNo.1に輝くミリオンセラー・ヒット”Southern Nights”をスカッと決め。そして、御本人登場。’75年、ミリオンセラーを果たしたNo.1ヒット”Rhinestone Cowboy”を歌い、彼自身も深い想い出をもつその大舞台でさようならを……。父の後で娘のアシュリー・キャンベルがバンジョーを弾いていたりして、温かいものを感じさせられました。それにしても、75歳になるとはいえ、見た目は未だはつらつとしているのに。’60年代半ば頃からずっとファンだった私にとってはつらいものでした。

Tony Bennett & Carrie Underwood “It Had To Be You”

“Duet II”の1曲をそのまんまライヴで。85歳、音楽界のリヴィング・レジェンド、トニー翁と、28歳、”アメリカン・アイドル”出世株にして、カントリー界のトップ・スター、キャリー・アンダーウッドのデュエットですからね。異を唱えようがありません。極私的に言わせてもらえばクイーン・ラティファか、ノラ・ジョーンズあたりとのデュエットを観たかったし、笑いをとるなら、否、トピックス狙いならレディー・ガガが良かったんじゃないかと思いますけれど。

それにしても、エイミー・ワインハウスについても何か”トリビュート”が欲しかったですね。

Jennifer Hudson <Tribute To Whitney Houston> “I Will Always Love You”

>>>Tribute To Whitney At The Grammy

David Guetta, Lil Wayne, Chris Brown “I Can Only Imagine” / Foo Fighters “Rope” / deadmau5 “Raise Your Weapon”

あれっ、<Tribute To Don Cornelius>の筈だったんじゃ? LL・クール・Jとクエストラヴはたしかにそうイントロデュースしていたように思われたのですが。であるとしたらそのエレクトロニック”Soul Train”2012は少し、否、全く外しちゃっていたような。だって、ああいったタイプのダンス・ミュージックを100%嫌っていたのが、コーネリアスでしたからね。デイヴィッド・ゲッタはうれしそうでしたけれど。デッドマウスも笑っていたし……といっても、光るマウスの中のジマーマンさんが笑っていたかどうかまではわかりませんが。しかしなぜ再びクリス・ブラウン? ふさわしいアーティストなんか観客席でよりどりみどりだったでしょうに。ゲッタとのからみでそうなったのはわかるのですが。さらにもっとあ然としたのが、フー・ファイターズ。次のデッドマウスとのからみであり、彼がそのノミネート曲をバンドのパフォーマンス中に生でリミックスするというのを売りにしたかったのはわかりますけれどね。要するに、そもそもが前ふりだけで、”Soul Train”をトリビュートするつもりなんぞ無かったってわけで。

Nicki Minaj “Roman Holiday”

悪魔払いから始まった、ヒップホップ界の”お転婆娘”ニッキー・ミナージュ。ホラーなライヴに固まりました。最後空中浮遊イリュージョンで終わったのが良かったですね。

Paul McCartney, Bruce Springsteen, Dave Grohl, Rusty Anderson, Brian Ray, Joe Walsh “Golden Slumbers” / “Carry That Weight” / “The End”

ポール卿によるフィナーレは、ザ・ビートルズ”Abbey Road”ラストの3曲(シークレット除く)をそのまんまライヴでパフォーマンス。ラスティー・アンダーソンとブライアン・レイはポールのバンドでおなじみですが、ゲスト・ギタリストにスターがズラリそろいました。まずはブルース・スプリングスティーン、ついでフー・ファイターズのデイヴ・グロール(またですかァ)、そしてポール一回目のショウの流れからジョー・ウォルシュという、わけのわからないセッション。まァ、楽しかったからいいんですけれどね。ボニー・レイットがなぜいないんだと、シンディ・ローパーが怒っていました。そういえば、リンゴもいたのに……。

<了>

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