Tribute To Whitney At The Grammy

GRAMMYの”ホイットニー・ヒューストン”・トリビュート。

ジェニファー・ハドソンはほんとうに良くがんばりました。それでなくてもあがっておかしくない音楽賞のライヴで。しかもいち早くその壇に立つプランが伝えられていた縁の深いシャカ・カーンをして「未だ”我がいとしい妹”を亡くした悲しみで歌えない」と言わしめたくらい、涙の乾く間も無い時に。ふつうなら相当念をいれるだろうリハーサルもどろなわだったでしょう。そんないくえにもプレッシャーのかかっていたパフォーマンスで、今や誰が歌ったとしても多少違和感を感じさせられる(オリジナルのドリー・パートンでさえ?)、十八番の”I Will Always Love You”を正しくしゅく然と歌い切ったのですから。あえてホイットニーのそれをただ物真似するでもなく、かといってジェニファー節炸裂で外すでもなく、せつせつと。

難しかったでしょうね。昂りをおさえつつパフォーマンスを全うするためには、ありし日の姿を余り想い浮かべるわけにもいかず。さりとてまるで想いもしなければ、トリビュートではなくなるし。縁が近く深い程、歌いにくいというのもうなずけます。

ゆえにそのパフォーマンスは、ものたりないものでした。それもその筈。トップ・スクリーンにくっきり映しだされた、歌うホイットニーの”影”からの光に照らされ、ジェニファーが現われた時、誰もがみんな想い浮かべたのは、あのたおやかな声そのものでしょう。しかし、歌っていたのが、ホイットニーじゃなかったから。私も、そうでした。

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