2011 V13 -1-
というわけで、年頭恒例第1回(え!?)2011年のV13なんですけど、ちょっぴりお祭にしてみたく、発表前にとりあえずその候補曲をレギュラーV13エントリー時の解説付で3回にわたってみてみましょう。
If I Die Young / THE BAND PERRY
レディー・アンテベラムと同様新世代ネオカントリーの注目株ですね。それにしてもいきなりのV13トップ3エントリーはいかがなものかとも思われたのですが、集計上結果としてそうなりました。そもそもは2010年のヒット曲。もちろんその当時私の中でもいったん”ヒット”し終わったものなんですが、実は年の初めくらいからぶりかえしていたのです。もしもV13でなく、V21とかにしていたら、恐らくはずっとエントリーしていたでしょう。いわばうずうずしていたわけです。それが、あらためてくりかえし聴いたことから、ジャンプアップにつながったと。奇しくも、本国内同様のロング・ヒットとなりました。第45回CMAアウォーズで、年間最優秀新人賞をもらったザ・バンド・ペリー。そのうえにロング・ヒット”If I Die Young”で、シングル・オブ・ザ・イヤーのみならず、ソング・オブ・ザ・イヤーも獲得し、見事、今年の同賞の目玉となってしまいました。
Calgary / BON IVER
1981年4月30日、米ウィスコンシン生まれのフォーク系シンガー・ソングライター、ジャスティン・ヴァーノンが2007年につくった異名儀プロジェクト。’08年、アルバム”For Emma, Forever Ago”でデビューしています。以来彼は、ロラパルーザを始め、ライヴを通じ、そしてカニエ・ウェストらとのコラボレイションを経て、だんだんとその名を知らしめるように。’11年リリースの2ndアルバム”Bon Iver”は、7月9日付米Billboardで初登場2位というビッグ・ヒットとなりました。”Calgary”はその1stシングルカット。ナチュラルで、叙情的で、ドラマティックで。ゆったりと、しかしリズミカルにしっかり刻まれる散文詩的な音世界。温もりのあるファルセット・ヴォーカルがふんわりと漂い、思わずうっとり夢心地にさせられます。
Dance Without You / SKYLAR GREY
1986年2月23日マゾマニー生まれの米女性シンガー・ソングライター、スカイラー・グレイ。エミネムの”Love The Way You Lie”を始め、フォート・マイナー、ドクター・ドレー、ルーペ・フィアスコらとのコラボレイションで、正に今が旬のアーティストですね。そもそもは実の名ホリー・ブルックとして2006年にデビュー・アルバム”Like Blood Like Honey”をリリースしていますが、’11年、新たなる第一歩を踏み出します。”Dance Without You”は改名後の”デビュー”アルバム”Invinsible”の第1弾シングル。ホラーな殺伐系ビート・ポップとでもいえましょうか? ヘヴィな”スタッカート”ビートが刻まれる黒魔術的音世界を、美しくも儚い……或る種霊妙なヴォーカルがエモーショナルに貫く、という一風変わった曲で、澱の如く心の隅に残ります。
5 Down / JESSIE J
1988年3月27日ロンドン生まれの23歳、ジェシカ・エレン・コーニッシュ、通り名ジェシー・Jというシンガー・ソングライター。クリス・ブラウン、そしてマイリー・サイラスら、若いアイドル・シンガーの作曲等に携わってきた事で知られています。2010年の暮れから”Do It Like A Dude”(英2位)、”Price Tag”(featuring B.o.B 英1位・米23位)などがたてつづけにヒットし、ついに自らスターダムへのしあがりました。大成功を果たした2011年リリースのデビュー・アルバム”Who You Are”に収められなかったアウトテイク。アップ・テンポもいいですが、スローな曲がステキなんですよね。震えるようにスリリングな歌いっぷりに惚れています。
Franz And The Eagle / STUART DUNCAN, CHRIS THILE, EDGAR MEYER, YO-YO MA
チェリストの世界的スーパースター、ヨー・ヨー・マが、スチュアート・ダンカン、エドガー・メイヤー、クリス・シーリーら、弦楽器を司るトラディショナルな米ミュージシャンと共につくった異色共演作(変態性は無い)”Goat Rodeo Sessions”の1曲。まるで、4人4様それぞれの弦が語り合っているかのよう。ドラマティックな弦のクロスオーヴァーにシビレマス。
Speechless / ALICIA KEYS featuring EVE
昨年電撃結婚&男の子出産を果たした米トップR&Bシンガー・ソングライター、アリシア・キーズが、米女優&ラッパーのEVEをフィーチャーし、妊娠中にレコーディングしたものだとか。スウィズ・ビーツのスペシャル・プロジェクト”Monster Monday”シリーズの一つ。つまり、御本人の新録曲というよりは、いわばだんなのために歌ったようなものなのですが、なかなかどうして外しませんね。グルーヴィーな都会的ラヴバラッドがたんたんと綴られています。年の初めにちらっとヒットし、再びエントリー。
Out Of My Head / LUPE FIASCO featuring TREY SONGZ
1982年2月16日、シカゴ生まれのルーペ・フィアスコは、今、最も熱いヒップ・ホップ・アクトといえるでしょう。No.1に輝く2011年リリースの3rdアルバム”Lasers”からのシングル第3弾。第1弾”The Show Must Goes On”がトップ10ヒットのロングセラーとなったため、今ひとつヒットチャートのアクションはふるいません。けれど、再び軽く楽しめるタッチの曲で、しょっぱなからすぐのれるダンサブルなリズム、1発で心を鷲づかみにするメロディー、エモーショナルなヴォーカル等、キャッチーな作りになっているので、誰もがみんなおキラクに楽しめるでしょう。さすが、旬の人ですね。ちなみにそのフィーチャリング・アクトのトレイ・ソングズは、’84年11月28日、米ヴァージニア生まれのR&Bシンガー・ソングライター。’10年リリースの彼自身のアルバム”Passion, Pain & Pleasure”もゴールド・ディスクになっています。
Rolling In The Deep / ADELE
1988年5月5日、ノース・ロンドンのトッテナム生まれの”ハートブロークン・ソウル”な英女性シンガー・ソングライター。エタ・ジェイムスを敬うだけあって、アーシーなフィーリング漂うなか、パワーのあふれるヴォーカルが響きわたります。グラミー新人賞獲得後の2ndアルバム“21” からのシングル曲。
Lost In Paradise / EVANESCENCE
1981年12月13日、カリフォルニア生まれの紅一点エイミー・リーをヴォーカルに擁す、米リトル・ロックのゴシック系メタル・ロック・バンド、エヴァネッセンス。グラミー新人賞に輝く2003年のデビュー・アルバム”Fallen”、そして’06年の2nd”The Open Door”に続く、’11年リリースの3rdアルバム”Evanescence”からの初エントリーにして、我がV13トップ3のポジションをつかんでいます。それにしても、5年ぶりの新録作となりますが、聴いてみてまず浮かんだ”想い”は、変わってないなァ、でした。しかし決してそれは悪いことではありません。パワー・アップはしているようですし。優しくのっかるピアノがいいアクセントになり、エモーショナルなロックがドラマティックに決まっています。美しくも恐ろしいゴシック・ロッカー、エイミーの愛らしいハイトーンもそのまま、すべてがつまった会心作。ホラーなタッチが、季節柄、ハロウィーンともしっくりはまっています。
Wanted You More / LADY ANTEBELLUM
ナッシュヴィルで2006年結成の米男女ポップ・カントリー・バンド、レディー・アンテベラム、’11年リリースの3rdアルバム”Own The Night”の1曲。Billboard第7位、トップ10ヒットを果たした”Just A Kiss”の裏で、最高第34位にランクされたものです。きらびやかなピアノの響きがうるわしい、ドラマティックなロストラヴ・ソング。切なさがしみじみ伝わってきます。”Just A Kiss”よりも、ぐっとくる曲なんですが……。ともあれさすがはグラミー賞常連グループ。アルバムそのものもBillboardで初登場にしてトップに立つ貫禄振りです。
Labyrinth / THE STANLEY CLARKE BAND
1951年6月30日、フィラデルフィア生まれのジャズ=フュージョン界の重鎮的ベーシストにして、名うてのTV&映画音楽作曲家という顔も持つスタンリー・クラークによる、2010年リリースのグラミー賞獲得アルバム”THE STANLEY CLARKE BAND”の1曲。現在我が国随一のジャズ姫上原ひろみがつくった曲ですね。息もつかせぬほど荒っぽいけど、すがすがしいピアノが、穏やかにたゆたうベースと絡み、えもいわれぬ美しさを醸し出しています。Hiromiのピアノが強く耳に残り、スタンリーのベースが深く心を揺さぶるため、一回流れるとくりかえし聴いてしまいがちで、プレイ数を増やしています。
Body And Soul / TONY BENNETT & AMY WINEHOUSE
世界中でスポットライトの当たったレコーディング時84歳のトニー・ベネットと27歳エイミー・ワインハウスによるジャズ・スタンダード・デュエットが、初エントリーにしてNo.1のポジションへ。聴くのが少し怖くもありましたが、最も楽しみにしていたものでもあり、一度聴いたらもう止まりません。初回結局連続11回エンドレスでくりかえし聴いてしまいました。以後毎日頭からまったく離れることなく、ヘヴイ・ローテイションとなっています。1930年につくられた曲についてのあれこれは、全5回プラス1回の”Body And Soul”ストーリーをごらんください。
Penguin / CHRISTINA PERRI
我がV13始まって以来最も”らしい”曲がNo.1へ! なんてったって、”Penguin’s JAM”ですからね。予想通り(誰の?)、見事第1位獲得を果たしました。ヤラセ? 否、”penguin”がついていたらなんでもNo.1になるわけじゃありません。1986年8月19日、フィラデルフィア生まれの米美人シンガー・ソングライターの楽曲群は、マスターピースの”Jar Of Hearts”、そして”The Lonely”に次ぐ、2011年リリースのデビュー・アルバム”Lovestrong”の収録曲3作連続V13No.1となっています。爽やかで、愛らしく、歩いていたらふと口ずさんでいたりする、そんな快いタッチの曲ですね。
<つづく>
