Viewpoint : Merry Christmas Music 2
前記表を見る限り、米国人にとってのクリスマス・ミュージックといったら、エルヴィス・プレスリーにとどめをさす、と。さすが、最高峰の国民的スーパースター! ……となるところですが、何か実感的に乏しいような。いくら米国内の話だといっても、皆がエルヴィスの歌で浮かれている姿を見た覚えもないし。現実的にどうなのでしょうか? というわけで、サウンドスキャンのデータを基に、1991年以降の最近20年間に限ってのアルバム・セールスでみてみると(異機関の調べゆえ、数字的にもいくぶん異なっています)。
1991 – 2011 Christmas Albums Bestseller In The USA
Miracles : The Holiday Album KENNY G (1994) 7,230,000
Noël JOSH GROBAN (2007) 5,280,000
These Are Special Times CELINE DION (1998) 5,170,000
Merry Christmas MARIAH CAREY (1994) 5,120,000
Christmas In The Aire MANNHEIM STEAMROLLER (1995) 3,730,000
A Fresh Aire Christmas MANNHEIM STEAMROLLER (1988) 3,610,000*(’91~)
Mannheim Steamroller Christmas MANNHEIM STEAMROLLER (1984) 3,480,000*(’91~)
Now That’s What I Call Christmas! VARIOUS (2001) 3,390,000
Christmas Eve And Other Stories TRANS – SIBERIAN ORCHESTRA (1996) 3,190,000
When My Heart Finds Christmas HARRY CONNICK Jr. (1993) 3,080,000
<Nielsen – SoundScan>
エルヴィス、まったくもって影もかたちもなし。生きていたらまた違ったのでしょうが……。ともあれそもそもが古くさくなどならない類のものでありながら、いにしえのものとなってしまう。そのへんからも、トップ・スターの歌うクリスマス・ソングという意味合いからしかヒットしえなかった、とみられます。”教会音楽育ち”の彼なのに。まァ、クリスマスが似つかわしいバーブラ・ストライザンドですら消えてしまうのですから、むべなるかな。
