Viewpoint : 54th Annual GRAMMY Awards
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さてしんがりにひけえしは、或る意味最もおもしろいっていうか、笑ってしまうしかないかもな、最高新人賞。
Best New Artist
The Band Perry <米国内セールス : 1stアルバム”The Band Perry”100万以上 (全米最高第4位) / 代表的ヒット曲”If i Die Young”300万以上(第14位) / 米 / (キンバリー/リード/ニール)ペリー姉&弟バンド / 20代 / キャリア6年 / カントリー系ポップ>
Bon Iver <2ndアルバム”Bon Iver”50万以下(第2位) / 米ヒット無 / ジャスティン・ヴァーノン : 米 / 男 / 30歳 / “キャリア”5年 / フォーク・ロック>
J. Cole <1stアルバム”Cole World : The Sideline Story”50万以上(第1位) / ヒット”Work Out”50万以下(第14位) / ジャーメイン・ラマー・コール : 米(ドイツ生) / 男 / 26歳 / 4年 / ヒップホップ>
Nicki Minaj <1stアルバム”Pink Friday”160万以上(第1位) / ヒット”Super Bass”300万以上(第3位) / オニカ・タニア・マラージュ : トリニダード‐トバゴ / 女 / 29歳 / 9年 / ヒップホップ>
Skrillex <2nd EP”Scary Monsters And Nice Sprites”50万以下(第69位) / ソニー・ジョン・ムーア : 米 / 男 / 23歳 / 9年 / エレクトロ・ハウス>
それほどまでにボン・イヴェール(ジャスティン・ヴァーノン)に獲らせたいのか!? という感じ。しかし、データの”2nd”という点に要注目。彼(ら)、”For Emma, Forever Ago”というデビュー・アルバムが、’08年にリリースされているんですよね。しかも、米国内においてはそれほど当たらずとはいえ(英国始めいくつかの国でヒット)、最高第64位にランクされてはいると。つまりもうとっくにブレイクアウトしているじゃん! なのに何故今、新人賞? かつてデュエット・ヴォーカリストとしてたった1曲(しかもほんの少し前に)ヒットがあったというだけで新人賞候補にならなかったホイットニー・ヒューストンの時と大幅基準変更ですか?
というわけで、あとの顔ぶれをみても、”?”が並ぶばっかりで。クリスティーナ・ペリーをいれてくれてもおかしくないんじゃないかと思うのですが。
私ならば、ザ・バンド・ペリーに獲らせてあげたい。
ですが、常識的にみるなら、こちらもまた1択、ニッキー・ミナージュでしょうが。なんてったって、叩きだしたる米ヒットが彼女自ら8曲(内100万以上のプラティナム・ヒットが3曲)、フィーチャリング・アクトとして15曲(プラティナムが3曲)ですからね。もんくなし!
ただしもう1人、なんだかぶきみなムードを醸し出すスクリレックスも、おろそかにはできません。データからみればその獲得率は1%もありませんが、想い出してください、前回誰が獲っていったかを。本命視されていたジャスティン・ビーバーを破り、あまつさえデビュー・アルバムのリリース後4年以上を経てつくられた2年ぶりの3rdリーダー・アルバム”Chamber Music Society”をもってして(まァ、いずれもほとんど売れていないため、ブレイクアウトにはたしかに至っていませんが)獲ってしまったのは、候補陣にその名をつらねていることも忘れられていたエスペランサ・スポルディングでした(^.^;
