Viewpoint : 54th Annual GRAMMY Awards
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つづいては、前回皆をあっといわせた、’11年で最も良かったアルバム賞。アーケイド・ファイアーの乱、再びとなるか?
Album Of The Year
21 / Adele <通算第2作 / 米国内売上500万以上(全米最高第1位) / 収録曲の米ヒット3曲(第1位・第1位・第56位現在上昇中) / 英国人 / 女 / 23歳 / キャリア5年 / ソウル系ポップ>
Wasting Light / Foo Fighters <第7作 / 50万以上(第1位) / 米ヒット2曲+1曲(第68位・第83位・ランク外1曲) / 米 / 男(5人編成) / 40代中心 / 17年 / オルタナティヴ・ロック>
Born This Way / Lady Gaga <第2作 / 200万以上(第1位) / 米ヒット5曲(第1位・第10位・第3位・第6位・第59位現在上昇中) / 米 / 女 / 25歳 / 6年 / ダンス・ポップ>
Doo-Wops & Hooligans / Bruno Mars <第1作 / 125万以上(第3位) / 米ヒット4曲(第1位・第1位・第4位・第85位) / 米 / 男 / 26歳 / 6年 / ソウル・レゲエ系ポップ>
Loud / Rihanna <第5作 / 150万以上(第3位) / 米ヒット6曲+1曲(第1位・第1位・第1位・第37位・第59位・第7位・ランク外1曲) / バルバドス / 女 / 23歳 / 6年 / R&B・ヒップホップ・レゲエ系ポップ>
うってかわってリーズナブルな候補陣といえるかも。売上的にはちょっぴり差がついていますが、ロック勢代表としてフー・ファイターズがエントリーしていますし。じゃないと、傾向的に少し偏ってしまいますからね。年度内ずっと当たっていた感のあるのが、リアーナ、そしてブルーノ・マーズ。ただし、もしもそれがキメテとなるのなら、ジェイソン・アルディーンらファンの偏るカントリー勢以外に絞ってみても、マルーン5、ザ・バンド・ペリー、ニッキー・ミナージュら、候補陣にもれたのが不思議なアクトが大勢浮かびますけどね。
というわけで、ここもやはりアデルが獲らなければおかしいでしょう。No.1に輝いただけでなく、ロング・ヒットともなっている愛唱曲を現時点で二つ出し、さらにほかの曲もつぶぞろい。伝統路線上でありながら今の世の中にしっくり合うセンスが光る出来映えですしね。そのうえで、ディスク・セールスもダントツで圧倒的に当たったわけですから。ロングセラーが今もなお高いレベルで続いているってのも追い風。センセイショナルなレディー・ガガ、ホットなブルーノ・マーズ、セクシーなリアーナらがたばになってかかっても崩せないほどの差がついているのではないかと。アルバム賞をそろそろ獲らせたいと思われている(それがダークホースたるゆえん)フー・ファイターズが、ロックの光としてがんばったとしても、どうでしょうか……。
