……Was The Who!

RAGTIME

「Appleは吸血鬼」!!!

去る10月31日にサルフォードで開かれたラジオ・フェスティヴァルの講演会で、ザ・フーのピート・タウンゼントがそう言ってのけました。まずはインターネットが音楽の発展を阻害していると……。そしてiTunes、Facebook、Twitterを同系統のものとみなし、米西部開拓時代になぞらえていかにも無法状態下にあるかのようにとらえ、とどのつまりAppleがミュージシャンからお金を巻き上げ、生き血を吸うディジタル・ヴァンパイアである、と宣ってくれたのです。

やっちまったなァ、ピート……ですよねえ。初めはそのように思われたのですが、話を聴いてみると、どうも、だから潰せとか言いたいわけでもないらしく。もうけてばかりじゃ能がない、ミュージシャンを育てたりするのにその金と力を注いでみたらどうですか、という話にもっていきたかったみたいなんですよね。そもそもが、英BBC Radio 1の伝説的ロックDJ、ジョン・ピールにちなんだこの語り。インターネットと違い、ラジオが音楽の発展に貢献したという流れにもたやすく結びつけられますから。

で、ツカミとしてどうやらうまいことを言いたかっただけだと。時節柄、ヴァンパイアを当てはめるのもどんぴしゃり。実際少し笑いがとれたものだから、うれしかったようで。

でもね、非合法ダウンロードをしたりする人ならば、自転車泥棒だってするとかいうのは、全然見当違い。モラルを口に出すってのも、破壊的音楽を演るミュージシャンとしてはいかがなものかと。人の迷惑省みずに大爆音でロックをぶちかまし、しまいにはギターを叩き壊し乍ら、モラルを守れとかいわれてもねえ。

インターネットが害で”悪”と決めつけているわけではありません。iTunesが嫌いなわけでもなさそうです。実際彼の曲も売られていますから。しかし、まァ、それにしても、自叙伝を書くためにあえて ( ! ) 非合法児童ポルノ・サイトを調べにいって疑われたほどのインターネット通にしてこのもの言いはちょっとね。

「お前ら、ほんとうにしょうがねえなァ。稼ぐようになったら大人買いするんだぞ。じゃないと許さねえからな」くらい言ってくれたら似つかわしかったのに。

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