Tony Bennett, 85, Scored His 1st No.1

Congratulations!

トニー・ベネットが、ついにやってのけました。噂のデュエット企画新録作”Duet II”が、2011年10月8日付号Billboard 200アルバム・チャートで堂々第1位へ!

1926年8月3日ニューヨーク生まれですから、85歳2ヵ月5日にして初登場No.1、ミゴト現役最高齢による新記録達成を果たしました。

実は彼、14回もグラミー賞に輝くスーパー・シンガーでありながら、ヒットチャート記録的にはいまいちふるわず。Billboard 200チャート・アルバムも、今回通算計40作となりましたが、なんと初のNo.1だったりします。今回同様豪華なラインアップだった’06年のデュエット企画第1弾”Duets : An American Classic”も、ミリオンセラーにはなったものの、最高第3位に止まっていました。

猶、これまでのタイトルホルダーは、ボブ・ディラン。’09年5月16日付号で、当時齢67歳11ヵ月22日となる彼(’41年5月24日誕生)の”Together Through Life”が、’06年の”Modern Times”で自らもっていた現役新作初登場No.1の最高齢記録を伸ばしています。ちなみにもしそれがNo.1にならなかったら、同年秋、’09年10月17日付号で、当時齢67歳5ヵ月23日のバーブラ・ストライザンド(’42年4月24日誕生)の”Love Is The Answer”にタイトルをかっさらわれていたところでした。しかし、そのようにわずかな差でデッドヒートが繰り広げられていた同記録も、”まさか”のダークホースに17歳2ヵ月13日ぶっちぎられることになったのです。

もちろんその大いなる原動力が、エイミー・ワインハウスの公式生涯最期のレコーディングとなってしまったデュエット曲”Body And Soul”であることはいうまでもありません。こちらのほうも、すでに10月1日付号HOT100で第87位に初エントリーしています。85歳現役新作でのそれもまた当然最高新記録。

それにしても、いつもこのテのデュエット企画盤で思うのはかの国の音楽界の伝統的底力ですね。古き佳き曲をあまりいじらず、ありし日を想わせるようなタッチで歌う、という作りにそれを感じます。ヴェテラン勢が変に若ぶって、音を妙に今ふうにつくるとか、孫世代のアーティスト・サイドに寄ったものになったり……は、しないんですよね。”老い”が”若き”におもねらず、しかもそれが尊ばれるわけで。それこそが永く受け継がれる伝統的文化のありかた、ってものでしょう。そもそもそのほうが、ずっとヒップですし。

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