Wilco Meets Black Eyed Peas

ういるこが ぴーずうたえば それだけで

てっぱんねたの だいばくしょう

いやあ、ふだんニヤリ止まりの私も意表突かれて、大爆笑。ディスプレイに吹いてしまいました、お茶を。……嘘ですが。

Wilco……日本人音楽ファンにはなじみがうすいものの、1994年結成以来地道に絶賛活躍中、グラミー賞アルバムだってもっている、シカゴ生まれのオルタナティヴ・ロック・バンドですね。

んでもってそのフロントラインを司るジェフ・トゥイーディーというオトコがやってくれちゃったんですよ、ライヴで、ブラック・アイド・ピーズの曲を。

サイケデリックな面をもってはいますが、カントリー系にわけられたりもする、どちらかというとフォーキッシュなタイプのロックを演る彼が旬のエレクトロニックなヒップホップを演るって???

ことのいきさつは、ダン・シンカーというジャーナリストによる”悪ふざけ”に端を発します。かつてオバマの下でその名を知らしめ、シカゴの現市長をつとめるラーム・エマニュエル……をなぞらえたツィッターで、2011年1月31日、彼がつぶやいたこと、それがこれ。

“Tweedy’s being pissy because he doesn’t want to play any Black Eyed Peas songs. What the fuck? People love that shit.”

ブラック・アイド・ピーズの曲を全く演りたがらないトゥイーディーがどうやらむかつかれているようですね。

そしてその後、なんとこの嘘ツィッターをまとめた本”The F***ing Epic Twitter Quest of @MayorEmanuel”がつくられ、去る9月6日、シカゴのザ・ハイドアウトで同出版記念パーティーが開かれたのです(リアルな市長御本人も現れたそうで)。で、ゲストとして招かれたトゥイーディーによる愛すべきそのパフォーマンスが初披露されたというしだい。

「これまでは俺自身を相当過大評価していたか、ブラック・アイド・ピーズを相当過小評価していたかのどちらかだったぜ。正直言うとね、どうしたらいいかわからない。ちゃんとできるかな」とかいいながら、”I Gotta Feeling”、”My Humps”、”Rock That Body”という”エレファンク”なピーズのヒット3曲をアコースティック・ギター1本の弾き語りでやってのけたのです(“My Humps”のみすべて語りっていうか、ただのへたな朗読風に……それもまた画期的!)。

忠実化しようとするあまり、歌以外のパートになるとたんなる語りのみという大暴挙。やっちまったなァ、ジェフ……なんですが、かえってそれがオーディエンスの大爆笑を誘います。ワッハハハハハハですね、”ワ”付の真に迫るやつ。そりゃそうですよ。真底全然似合わないんですもの。トゥイーディーもそれまでの人生でまったく出合わなかった感覚でしょうしね。ゆえに笑いはいくらでもとりほうだい。だってただふつうに紙に記された歌詞追っているだけでいいんですから。無尽蔵。正に鉄板芸ですね。ズルイんですけど、ウマイ。

というわけでそのウィルコ、レーベル移籍第1弾となるアルバム”The Whole Love”がもうすぐリリース。なかなかいいプロモーションになったよう。ツアーでもこれをやったら許しませんが。あまり見すぎて飽きちゃったので。

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