Eternal Songs Kaleidoscope 佳曲萬華鏡
いつまでも色あせぬ極私的不朽の佳曲選。第5弾は……
Careful 5 : Always Look On The Bright Side Of Life / Eric Idle <Monty Python>
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あろうことか、救世主イエスと同じ日に生まれたがためにとりちがえられた、グレアム・チャップマン扮するあわれなユダヤ人の主人公ブライアンは、あんなことやあんなことやあんなことがあった末、十字架に磔となり、万事休す、死を待つ正にその時、エリック・アイドル扮するかたわらの磔仲間フリスビー3世に声をかけられます。
「ゲンキ出せ、ブライアン!」と。そしてこの曲が歌われるのです。初め、彼が独り歌っていたそれが、だんだんほかの磔仲間へ飛び火。やがて140人の磔人達の大合唱となり……(どうみても23人しかいませんが、台本上はそうなっているので、信じてあげましょう)。
英国一、否、世界一のコメディー・クリエイター・チーム”モンティ・パイソン”による、1979年の異色古装映画”Monty Python’s Life Of Brian”のエンディング、ラスト・シーンで歌われる曲。
絶体絶命絶望の真只中でポジティヴに生きようぜって歌うわけですから……まァ、歌っているうちにカメラが引いてそのまま終わっちゃうので、どうなるかはわかりませんが、かなり(いつもながら”Python”らしい)アイロニカルな曲ではあります。シーンとしてみてもエターナルな余韻残す、ドラマティックでファンタスティックでシュールリアリスティックでサイケデリックでシリーでラビッシュでフーリッシュで、ハァハァハァハァハァ、哀しくも愛らしいエンディングですね。
たぶん、否、きっとみんなその後も強く生きているんじゃないかと思います。実際私は見ました、2007年、同映画の派生的オラトリオ”Not The Messiah (He’s A Very Naughty Boy)”で歳とったフリスビー3世が、楽しそうにこの曲を歌い、全く同じ様に口笛吹いているのを。そういえば、さらにその後の’08年、チャールズ英皇太子生誕60周年記念式典のフィナーレで、歌ってもいましたね。ゲンキでした。
あ゛、けれど、ブライアンは見ていないなァ。’89年に癌で死んだりしていないといいですが……。
<あすへつづく、かもしれない>
