Rest In Peace, Amy Winehouse

私がその美しくも擦り傷のいっぱいついた声を耳にしたのは7年程前のことでした。インターネット・ラジオをチューニングしたとたん流れたのがその歌だったのです。愛らしいのに、蓮っ葉で……アネゴっぽいのに、触るとぐすぐず崩れてしまいそうにか弱い……我がままそうで、根は人にやさしい。けれど、たぶんドラッギーな”フルタイム”ドランカー。そんな光と陰を感じさせられる声が、一瞬流れるや、心を捉えられてしまいました。ジャズふうなタッチがベースにはなっていますが、いろいろなエレメンツの交わったクロスオーヴァー・ミュージックにその酔いどれ歌がハマッた時、いわくいいがたい魅力的な音世界が広がっていたのです。正に歌の主ならではの”ジャズ”。ほかの誰かのそれとは異なるものでした。

虜になってしまった1作、”FRANK”。

2006年発表、グラミー5部門賞に導くアルバム”BACK TO BLACK”もそのアーティスト的真髄を讃えるにふさわしい珠玉作といえるでしょう。しかしこの2003年のメジャー・デビュー・アルバムこそが、全く縛られずにほとばしる幽玄美を楽しめるものだったと、今もそう思います。恐らくはその間の3年に”何か”が変わって、そしてまたその後変質が進んでいったのでしょう。賞を獲り、認められたという出来事が、必ずしもいいことだけには結びつかなかったかもしれません。泥の中で溺れそうになっていたとしたらなおさらです。

Amy Winehouse

1983.9.14 – 2011.7.23

ビリー・ホリデイの再来等と讃えられ、ジャニス・ジョプリンの様に振る舞い、27歳で此の世を去ることになったロンドン生まれの”ジャズ”・シンガー、エイミー・ワインハウス。できるなら、奪われたくない人でした。

やすらかにお眠りください。

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