八「熊さんや、ちまたではあいくらうどなんとかってのが凄いってもちきりなんだけど、俺っちもそろそろどうでい?」
熊「八つぁんはほんとうに新しもの好きだね。で、なにかいそのあいくらうどなんとかってのは、うまいのかい?」
八「どうも食いもんじゃないらしい」
熊「なんだ、食えねえのかい。じゃあ、いらね」
八「おっとっと、話はしめえまで聴くもんでい。なんでもてめえのもってる音曲、写真、草紙みたいなものから、文字、数字、絵画、コヨミ、帳簿類までなんだって一つにまとめてくれて、同じものをいつでもどこでもどんな吃驚玉手箱でもすぐつかえるようになるものだって」
熊「吃驚玉手箱?」
八「あいふおんとか、あいぱつどとか、まっくらぶっくとか、いろいろあるじゃん。一つ、一ついちいち入れたりせんでもいいらしい」
熊「ん? ってえことはなにかい、俺のもってるものを知らないうちに好きにするってことかい。そのあいくらうどってのは、そんなにえらいのかい?」
八「えらいとかそういうことじゃないと思うけど……」
熊「いけすかねえな」
御隠居「…… (´・_・`)」
<つづく、かもしれない>
