ATLANTIC

Record Makers’ Rhapsody

vol.5 ATLANTIC

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アーメットはそれ以後も英米の白人ロック・バンドと次々に契約を締結。ブルー・アイド・ソウルの旗頭的存在となるヤング・ラスカルズしかり。クリームのフェアウェル・コンサートでオープニング・アクトをつとめた、プログレッシヴ・ロックの雄、イエスもその1組でした。そんな流れにつられてか、共同経営陣のジェリー・ウェクスラーも、ダスティー・スプリングフィールドに奨められ、意にそまぬもののレッド・ツェッペリンとサイン(レイ・チャールズに憧れ、バッファロー・スプリングフィールドを愛していたというヴォーカリストのロバート・プラントにとっては夢の様な話だったそうですが)。そして、そのいずれもが爆発的なヒットに結びついたのです。

ところでこの来るべき新時代に備え、ロック・バンドの争奪戦に力が注がれていた頃は、いっぽうでその将来的見通しから戦略的に身売話が進められていた時でもありました。かくて1967年の秋10月、アトランティックは、1人反対を訴えつづけていたアーメットの抗いもむなしく、$17,500,000という低価格で、ワーナー・ブラザーズ=セヴン・アーツ・グループに売られてしまいます。しかし、経営制作陣にアーメットが止まったおかげで、”アトランティックの音”はその後も変わらず生きつづけました。<つづく>

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