Rest In Peace,”Father Of CD”Norio Ohga

CDが12cm・約75分収録となったのには、或る1人の日本人が関わっています。ソニーとフィリップス両社で当初、規格の調整が難航。共に1歩も譲らない状況下、ソニー側が強く訴えていたのは、「記録の時間は音楽の楽曲の時間を基に決めるべきである」という、至極真っ当なものでした。そして、クラシックの95%が75分で1枚に収められるという調査結果資料をベースに、「オペラ1幕、またはベートーヴェンの交響曲第九番、それも74分32秒のフルトヴェングラー指揮の名演が収録できるもの」と鋭意専心主張していったのです。

それを行なったのが、当時副社長で、CBS・ソニーレコードのトップでもあった大賀典雄氏でした。声楽家出身の氏らしいエピソードですね。後日私はその話を教えられ、工業面も含む音楽業界上のインフラストラクチャーは、正しくこのような音楽人に整えられるべきだし、そうなっている事を幸わせに感じたものでした。

やすらかにお眠りください。

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