Words Of Wonder
「’70年代頃は未だ色々試行錯誤していたからね。ぼくらがつくりたいと思う様な音楽性は大衆的に伝わりにくかった。誤ったことをずっとくりかえしていたんだ。エレクトリックに頼るロック寄りのものを演る様になってから、伝わりやすくなった。けれど、最近或るライヴでソウルフルな音をアコースティックに演ってみたら、何だかしっくりきたんだよね。そもそもぼくらはソウルとフォークをクロスオーヴァーさせたアコースティックなデュオだった。ルーツを想い出したってことなのかな」ダリル・ホール&ジョン・オーツ
アメリカンにしてはおとなしめな2人。1991年の秋、ホテルの1室で行われた私と彼らとの1時間程のインタヴューは、時を刻む針の音が響き渡る様な静寂感の中でたんたんと進められました。
伝わらなければ誤りだと言い切る姿はなかなか潔く感じられましたが、’74年の”She’s Gone”、そして何よりもブレイクアウトを果たした’76年のヒット”Sara Smile”でヤられた私としてはなんだかちょっと頷き難い感じ。まァ、今はまたルーツを想い出したみたいだから、いいかなと……思ったしだいですが、米Billboardで16曲のトップ10ヒットをマークし、とくにそのほとんどが刻まれた’80年代最高峰のデュオといわれた彼らがそんな話をしたこの時以降、再びトップ10にのっかるどころか、パタッとヒットが無くなってしまったのが気がかりです。ルーツを想い出したのはやはり誤り???
