ブリトニー・スピアーズのニュー・アルバム『ファム・ファタール』が、発売1週目に米国内で276,000枚を売り、Billboard2011年4月16日付号のアルバム・チャート初登場にして通算6作目のNo.1をマーク。1955年以来、女性陣の中で、マライア・キャリー、そしてジャネット・ジャクソンに並ぶ第3位の快記録をなしとげたと騒がれています。
というわけで、さっそくそのへんを詳しくみてみましょう。Billboardアルバム・チャート、女性アーティストによるNo.1奪取の記録。
1 Barbra Streisand 9No.1s
1964.10.31 People <5Weeks> 1Million
1974.03.16 The Way We Were <2W> 2M
1977.02.12 A Star Is Born <6W> 4M
1979.01.06 Barbra Streisand’s Greatest Hits, Volume 2 <3W> 5M
1980.10.25 Guilty <3W> 5M
1986.01.25 The Broadway Album <3W> 4M
1993.07.17 Back To Broadway <1W> 2M
1997.11.29 Higher Ground <1W> 3M
2009.10.17 Love Is The Answer <1W> 0.5M
2 Madonna 7No.1s
1985.02.09 Like A Virgin <3W> 10M
1986.08.16 True Blue <5W> 7M
1989.04.22 Like A Prayer <6W> 4M
2000.10.07 Music <1W> 3M
2003.05.10 American Life <1W> 1M
2005.12.03 Confessions On A Dance Floor <1W> 1M
2008.05.17 Hard Candy <1W> 0.5M
3 Janet Jackson 6No.1s
1986.07.05 Control <2W> 5M
1989.10.28 Janet Jackson’s Rhythm Nation 1814 <4W> 6M
1993.06.05 janet. <6W> 6M
1997.10.25 The Velvet Rope <1W> 3M
2001.05.12 All For You <1W> 2M
2008.03.15 Discipline <1W> 0M
3 Mariah Carey 6No.1s
1991.03.02 Mariah Carey <11W>9M
1993.12.25 Music Box <8W> 10M
1995.10.21 Daydream <6W> 9M
1997.10.04 Butterfly <1W> 5M
2005.04.30 The Emancipation Of Mimi <2W> 6M
2008.05.03 E=MC2 <2W> 1M
3 Britney Spears 6No.1s
1999.01.30 …Baby One More Time <6W> 14M
2000.06.03 Oops!…I Did It Again <1W> 10M
2001.11.24 Britney <1W> 4M
2003.12.06 In The Zone <1W> 2M
2008.12.20 Circus <1W> 1M
2011.04.16 Femme Fatale <1W> 0M
*Billboardアルバム・チャートNo.1初獲得年月日順(発売年、登場年ではありません)
*W=No.1在位週回数
*M=RIAA認定米国内売上枚数(百万枚単位)
正に快記録。しかも、バーブラ・ストライザンドはNo.1初獲得以来6回奪取に至るまで22年、マドンナだって20年、ジャネットも22年、マライアでさえ17年なのに、ブリトニーは……わずか12年! ですからね。
何てったって、今までにリリースされた7作のオリジナル・スタジオ・アルバム中6作がNo.1。かえすがえすも’07年の前々作『ブラックアウト』が悔やまれます。発売1週目の売上290,000枚、実は最新作よりちょっぴり多かったにもかかわらず、第2位に止まってしまったので。ちなみにその次、’08年のアルバム『サーカス』は506,000枚と爆発的に売れまくりましたが、アーティスト・パワーそのものは今も’07年もそれほど変わっていないんですよね……状況的変化もありますから、いちがいには言えませんが。ともあれそのすべてが初登場でなしとげられています。これは正に”アイドル”セールスの王道行くもの。さすがですね。
でもね、ただのアイドル・シンガーと、軽くみてはならじ。同じ”The Mickey Mouse Club”の出ながら、へたに本格派として認められちゃったクリスティーナ・アギレラよりも、ずっとしたたかでどん欲なセルフ・プロデュースのセンスとパワーをもっていますから。清純派でデビューはしましたが、”セックス・シンボル”マドンナの後をしっかりと歩んでいるような、そんな匂いがぷんぷんします。レイディー・ガガ、ケイティー・ペリー、ケシャなんかにはまだまだ追いつかれないぞみたいな、ね。頼もしい限りです。
