Power To The People……Cyndi Lauper

大震災の真只中、我が国へやってきたシンディ・ローパーは、スケジュール通り、ツアーを行い、日本人を励ましてくれました。
3月21日、大阪NHKホールで、観客からもらった日の丸の旗をさっそうと羽織ってつづられた”Shine”のパフォーマンスは、ずっと語り継がれるでしょう。
実はその後、アンコールは”True Colors”で本来終わるはずでした。
しかし、ミュージシャンと相談後、突然始まったのが、リスト外の”What’s Going On”。
マーヴィン・ゲイが残してくれた’70sソウルの珠玉作ですね。
シンディもアルバム『トゥルー・カラーズ』でカヴァーしていたもの。
バックボーンも、メッセージとして唱えるものも多少異なってはいますが、今、そこでその時、歌うにふさわしい曲だった、と思います。

そしてきょう。
終わったばかりのショウもまたステキでした。
あいもかわらずヒップでポップなロックに、”ブルー”なエレメントがフィーチャーされた音楽吃驚箱。

日章旗、きょうもおしゃれに着こなしていました。
そんな”Change Of Heart”が温く決まった後のアンコール……
まずは、歳”不相応”にかわいらしくぶっ飛ぶ”Hey Now”のオマケ付”Girls Just Want To Have Fun”。
ついで、そもそもこの日は共演日ではなかったTOKUのフリューゲルホーンが甘く寄り添う”Time After Time”。
次は、やはり彼のミューテッド・トランペットがクールに絡むブルージーな共演作”Don’t  Wanna Cry”。
と、ここでまた日章旗を纏い、”Shine”でクライマックスを迎えます。
時にオーディエンスといっしょになって歌う一体感がCYNならではのもの。人間味の感じられるやさしい人となりがよく現われていました。
フィナーレは、いつも通り、”True Colors”。キーボードも伴い、TOKUと3人で、たんたんと。ただしその間にメッセージと共に挟まれたのが、今ツアーのレパートリーの一つ、ジョン・レノン(プラスティック・オノ・バンド)の”Power To The People”。拳を突き上げ佇む姿に、いつもとは異なるものを得た日本人は少なくなかったでしょう。まさしくその歌に、血の如く熱く、潔い”力”を感じさせられました。
嬉しかったのは、それが極自然に感じられたこと。正に、アーティスト魂ですね。

日の丸の上に浮かんでゆれるブロンドヘアーが、とってもとっても愛おしく、心に刻まれました。

Leave a comment