Eternal Songs Kaleidoscope 佳曲萬華鏡
先週号からのつづきです……
Careful 2 : Aquarius / Let The Sunshine In /// The 5th Dimension
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新時代到来の兆を感じさせ、強いメッセージ性をもつこの曲。もちろんたくさんのアーティストにさまざまなスタイルでカヴァーされています。ダイアナ・ロス&ザ・スプリームス、アンディー・ウィリアムス、ジ・アンディスピューテッド・トゥルース、チャールズ・アーランド、スペンサー・デイヴィス・グループetc. 必ずしもみなメドレーのスタイルをとるものではありませんが。
そのなかでこれが人気曲となるきっかけをつくったのは、ロスアンゼルスのR&B系男女混合ヴォーカル・グループ、ザ・フィフス・ディメンション。’67~’76年の間に30曲のヒットを持ち、そのうちの7曲がトップ10ヒット、内2曲がNo.1に輝くトップ・スターでした。’69年に結婚後デュオも組むマリリン・マックー(’43年9月30日・生)とビリー・デイヴィスJr.(’40年6月26日・生)を始め、フローレンス・ラルー(’44年2月4日・生)、ラモン・マクレモア(’40年9月17日・生)、ロン・タウンソン(’33年1月20日・生/’01年8月2日死亡)の誰もがみんな歌唱力抜群のヴォーカリスト揃い。
彼らがどうしてこの曲を歌うようになったかについては、一つエピソードがあります。’68年、ニューヨークのアメリカン・ホテルでライヴを行なっていた彼ら。とある日の夕食後、ビリーはタクシーの中にサイフを落としたことに気がつきました。とはいえそこは大都市。もはや諦めるしかありません。しかし、なんとサイフを見つけた次の乗客が親切にもわざわざ電話してきてくれたのです。それが、ミュージカル『ヘアー』のプロデューサーの1人でした。ビリーは、お礼としてプロデューサー氏夫妻をショウに招き、そのお返しってのも変ですが、グループのメンバー全員同ミュージカルへ逆招待。そこで歌われていたのがこの曲でした。オープニングの”Aquarius”が、すぐに心をつかみとります。
<つづく>
