Don’t Give Up Peter Gabriel & Kate Bush
英日曜新聞THE INDEPENDENT ON SUNDAYが、日の丸の中に書かれた『がんばれ、日本。がんばれ、東北。』の日本語見出しをなんと一面(7ページを割く大震災スペシャルのトップ)に掲載していましたね。で、訳としてその下にそえられていたのが、”Don’t Give Up, Japan”と”Don’t Give Up, Tohoku”の2ライン。
奇しくも前々週発表の2010年総合、そして2011年3月7日発表の第1回V13(本日第2回の発表日ですが、お休み致します)という、極私的ベスト13で、共にエントリー曲の一つとなった”Don’t Give Up”が、コピーとして使われていました。エントリー曲は、ハービー・ハンコックの”The Imagine Project”の1曲。ピンクとジョン・レジェンドという異和感コンビが妙にしっくりデュエットしています。しかしこれ、そもそもは御似合いコンビで’86年に歌われたもの。
それが、ピーター・ゲイブリエル&ケイト・ブッシュによる『ドント・ギヴ・アップ』でした。
せつせつとしたピンク&ジョンのニュー・ヴァージョンと比べ、体の芯までほんのり温められ、まるで夢の中を漂うかのような浮遊感に包まれるオリジナル。お互いをずっと抱きしめ合いつつ歌うヴィデオクリップが胸に深く刻まれています。
元ジェネシスのとんがったフロントラインからやがて社会的メッセージ色の強いカリスマ・シンガーへ変わっていった、’50年2月13日、英サリー生まれのロック・シンガー・ソングライター、ピーター・ゲイブリエル。やはりちょっとぶっとんだアーティストとして人気博し、スターダムへのしあがった、’58年7月30日、英ケント生まれのケイト・ブッシュ。そんな2人のデュエットは、正に夢のコラボレイション。シングル・セールス的にみるなら、’86年、英トップ10ヒットとはなるも、翌年米Billboardで最高第72位と、いまいちふるいませんでした。しかし、アフリカ支援等、チャリティ・コンサートなどではその後も好まれてとりあげられるレパートリーの一つとなります。いろいろな組み合わせで歌われていますが、共通項は”愛”……そしてそれを包む優しさでしょうか。
正に”今”、ふさわしい曲の一つだと思います。
