Hit Chart Elegy 音楽番付哀歌
BillboardにまつわるNo.2ヒットの哀しいお話をもう一つ
Movement 3 “Blue……” : LeAnn Rimes
How Do I Live : 2 (1997.12.13 – 12.27, 1998.1.24)
やはり凄いものですね、グラミー賞効果というものは。レディ・アンテベラムの受賞曲”Need You Now”が再点火、昨年長い間ランキング入りしつづけて、HOT100内在位期間47週という金字塔をうちたてた曲が再びエントリー、ランク・アップするかもみたいな勢いをみせています。
さてそれではNo.2止まりの曲で最も長い間ヒットし、ロングセラーとなったものは、誰の何という曲でしょうか? 答は、ポップ・カントリー・ガール、リーアン・ライムズ、14歳当時のレコーディング曲『ハウ・ドゥ・アイ・リヴ』。
1997年12月13日付以来計4週、最高第2位にランクされたものの、ついにNo.1は奪えずにダウンしてしまいますが、そのままどーんと力つきて、とはなりませんでした。そもそもが基本的にアップ・ダウンが激しくはないカントリー系で、しかも美しくもせつないラヴ・バラードですからね。ねばります。そのうえこの年は、しょっぱなからリーアン・ライムズの年でした。というのも、グラミー賞でベスト・ニュー・アーティスト、つまり最優秀新人賞をかちとったのです。それも、史上最年少受賞というオマケ付で。そんなわけで、曲の良さ、歌唱力、トピックス性が相まって、ロングセラーのビッグ・ヒットに結びつきました。
HOT100エントリーは’97年6月21日。8週でトップ10入り、以後少し落ちたり昇ったりをくりかえし、10週もついやしてトップ3に。それからがまた長い。次の週4位にダウンし、再びアップしてからは7週ずっと3位。で、No.2にランクされたのは、実にHOT100エントリー26週間目、トップ10入りしてからは19週間目、春に始まったヒットも、もはや年の瀬という長い道のりでした。
エルトン・ジョンによるダイアナ妃の追悼曲を含むシングル”Something About The Way You Look Tonight / Candle In The Wind 1997″に阻まれてトップにはなれず、3週間踏ん張りましたがダウン。しかし、3位、5位、4位と、後はゆったり消えていくかと思いきや、年をまたがって再びアップ、2位へとのしあがります。またしてもサヴェイジ・ガーデンの”Truly Madly Deeply”に道をふさがれ、No.1にはなれませんでしたが、予想外の再上昇。さらにそれでは終わりませんでした。再びダウンしてからもさらに7週トップ10をうろうろした後、なんとトップ50内に秋までいすわってしまったのです。
HOT100に69週……これは当時新記録をマークしています。凄まじいロングセラー。3百万枚突破のビッグ・ヒットとなりました。けれど、そんな曲がNo.2止まりという不思議。そしてこの人もまたNo.1ヒットが今のところまだ1曲もありません。
そういえば、レディ・アンテベラムのグラミー受賞曲も、実はNo.2止まりなんですよね。しかも、同系統のポップ・カントリー。これって、いったい……???
