HAWHOKKKEKYO 真説大衆音楽”洋”語辞典
グラミー賞 Grammy Awards
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そもそもこの賞は、NARASという学会の会員の投票でそのすべてが決まるものです。“投票”会員の資格は、主としてヴォーカリスト、ミュージシャン、ソングライター、プロデューサー、エンジニアなどで、基本的に米国内で正規小売商人を通じリリースされたシングル・トラック6曲以上(内1曲は5年以内/デジタル系は12トラック)、またはそれ相当の作品の製作にからんだ証しをもつこと。grammy365.comサイトなどで必要事項記入の上、申し込み、正しいことが認められれば、初年度会費を収め、即入会が許されることになります。2011年現在、年会費は$150、3年まとめると$260、5年で$420。入会後、ノミネート、本投票などに加わることになります。全般的な賞となるその年最高のレコード賞(Record Of The Year)、楽曲賞(Song Of The Year)、アルバム賞(Album Of The Year)、新人賞(Best New Artist)の主要4部門は、全会員で。そのほかの賞については、29の各専門部門の内、ノミネートにおいては9専門部門未満、本投票においては8専門部門未満をそれぞれ選び、票を投じることになります。ポップ、ロック、R&Bのみならず、ラテン、ジャズ、クラシックなどいろんな業界人が加わっているため、投票会員数は結構多く、初め500人だったものが、’80年代半ばには10倍の5000人突破。2000年代半ばには1万数千人規模に達し、さらに増え続けています。特に6000人ほどといわれるプロデューサーとエンジニアのおよぼす影響力が大。スケジュールはまず、レコード学会員およびレコード会社等による、期間中(前年度10月1日~当年度9月30日)の米発売作品からの候補作提出。候補作を150人以上の各部門の専門家による審査会が、芸術的に優れているかどうかでふるいにかけます。ゆえに、いくら売れていようがだめなものはだめ。10月1日以降、ふるいにかけられたリストからの各部門ノミネート作を選びます。そして選ばれた(基本的に)各部門5作が全米各地区代表会員による再審査を経て、候補作承認。12月1日以降にそのリストを再び全会員に送り、最終本投票に移ります。ちなみにその各地区というのは、ニューヨーク、フィラデルフィア、ワシントンD.C.、アトランタ、フロリダ、シカゴ、ナッシュヴィル、メンフィス、テキサス、パシフィック・ノースウェスト、サンフランシスコ、ロスアンゼルスの12か所。結構厳しそうだけど、実はそうでもなかったりします。特に新人賞などは、基準的にあやふやな面も多く、よくもめる火だねになりますね。ともあれそんなわけで、本来業界人の仲間内の賞だから、フツーのファンの思いとは違う人に渡るケースもしばしば。そのへんから文句言う人もよくみかけられますが、それはちょっと筋が違う感じがします。
